Effects of Severe Hypoglycemia on Cardiovascular Outcomes and Death in the Veterans Affairs Diabetes Trial. Randomized controlled trial
Davis SN, et al.
Diabetes Care. 2019.
PMID: 30455335
【目的】
退役軍人糖尿病試験(VADT)における重症低血糖症の危険因子、および重症低血糖症と重症心血管有害事象や心血管死亡率、そして全死因死亡率との関連性を決定すること。【研究デザインおよび方法】
VADTデータの事後分析には、既知の心血管疾患やその他の心血管系危険因子の有無にかかわらず、11.5±7.5歳の罹病期間を有する、最適にコントロールされていない2型糖尿病(HbA1c 9.4±2.0%)の退役軍人(年齢60.5±9.0歳)1,791人が含まれた。 参加者は厳格治療群(HbA1c <7.0%)あるいは標準治療群(HbA1c <8.5%)にランダム化された。【結果】
・厳格治療群における重症低血糖の発生率は、100患者年あたり10.3人であったが、標準治療群では100患者年あたり3.7人だった(P <0.001)。 ・多変量解析では、ベースラインでのインスリン使用(P = 0.02)、タンパク尿(P = 0.009)、および自律神経障害(P = 0.01)は重症低血糖の独立した危険因子であり、より高いBMIは保護的(P = 0.017)だった。 ・過去3ヶ月以内の重度の低血糖は、重篤な心血管イベント(P = 0.032)、心血管死亡率(P = 0.012)、および総死亡率(P = 0.024)のリスク増加と関連していた。 ・しかし、標準治療群では厳格治療群と比較して総死亡リスクが比較的高かった(P = 0.019)。 ・重度の低血糖と心血管イベントとの関連は、全体の心血管リスクが増加するにつれて有意に増加した(P = 0.012)。【結論】
過去3か月以内の重篤な低血糖エピソード発症は、血糖治療グループの割り当てにかかわらず、主要な心血管イベントおよび心血管死亡率および全死亡リスクの増加と関連していた。 標準的な治療法は、重度の低血糖後の全死亡リスクをさらに高めた。
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