新薬タリージェ®️による糖尿病性神経障害への効果はどのくらいですか?(DB-RCT, J Diabetes Investig. 2019)
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2019.04.16
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Mirogabalin for the treatment of diabetic peripheral neuropathic pain: A randomized, double-blind, placebo-controlled phase III study in Asian patients.
Baba M, et al.
J Diabetes Investig. 2019.
Clinicalgav.Trials number: NCT02318706
【目的/序論】
糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)に対するミロガバリン(電位依存性Ca 2+チャネルのα2δサブユニットの新規の強力な選択的リガンド)の有効性および安全性を評価した。
【材料と方法】
二重盲検多施設プラセボ対照第III相試験を実施した。
1型または2型糖尿病とDPNPを有する20歳以上のアジア人患者を2:1:1:1とプラセボ、ミロガバリン15、20あるいは30 mg/日にランダムに割り付けた。用量は1〜2週間でタイトレーションを行い、14週間まで追跡した。
主要評価項目は、14日目におけるベースラインからの1日平均疼痛スコア(
average daily pain score , ADPS)の変化であり、1日の疼痛の1週間平均(過去24時間の0 =疼痛なし)10と定義した。
【結果】
ランダム割付された患者834人のうち、
330人がプラセボ、
164人がミロガバリン15 mg/日、
165人がミロガバリン20 mg/日、
165人がミロガバリン30 mg /日だった。
修正ITTで分析されたのはn =824、また755人(90.5%)が研究を完了した。
14週目の最小二乗平均日平均疼痛スコアのベースラインからの変化は、それぞれ -1.31、-1.34、 -1.47 および-1.81であり、プラセボに比べて、ミロガバリン30 mg /日において統計的有意性を示した(P =0.0027)。
観察された治療緊急有害事象は、すべてのミロガバリン用量において大部分軽度から中等度であり、そして最も頻繁に起こる治療緊急有害事象は、鼻咽頭炎、傾眠、めまい、末梢浮腫および体重増加であった。
【結論】
ミロガバリンは用量依存的にDPNPを軽減した。ミロガバリン30 mg /日は、アジアのDPNP患者において統計的に有意な疼痛軽減(対プラセボ)を示した。
試験に用いられたミロガバリンの全ての用量は忍容性が良好であった。
【コメント】
アブストのみ。
まず共著者に第一三共の社員さん入り過ぎ。そのためか試験プロトコルがしっかりしている、という印象を受けた。またアジア4ヵ国での実施は臨床的意義も大きいと考えられる。
さて、タリージェ®️(ミロガバリン)は糖尿病性の末梢神経障害性疼痛に対して、プラセボと比べて鎮痛効果が認められた。治療効果、副作用ともに用量反応性は認められたが、有効性としては用量30 mg/dでのみ有意とのこと。
臨床での疼痛試験の実施が難しいのは、他の試験に比べてプラセボ効果が大きいため、薬剤の有効性を検出しづらいところ。そしてオープンラベルで実施した場合の観測バイアスが入り込みやすいところであると考えられる。
本試験では二重盲検で実施しているようなので、一応信頼性が高い結果であると考えられる。
Figure 2(論文より引用)
また個人的に気になったのが、試験参加者の背景。患者の平均年齢は61.4歳だが、75歳以上の患者も全体の7.8%にあたる65例が参加している。是非とも各副作用の発現傾向も層別解析して欲しいところ。]]>
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