インフルエンザ検査の是非③【陽性的中率・陰性的中率】

この記事は約3分で読めます。
ランキングに参加しています!応援してもよいよという方はポチってください!

実際の現場では、例えばインフルエンザなのか、風邪症候群なのか、はたまた別の疾患なのかわからない状況です。そこで的中率の登場というわけです。次のような表を書いてみると、より理解しやすいと思いますので、こちらの表1を使って解説していきます。

ちなみに ある検査キットの 感度(Sensitivityを算出するには、疾患ありかつ検査で陽性判定の105人 を 疾患ありの合計人数160人 で割った値ですので、0.6562 (65.6%)となります。

一方、特異度(Specificityの算出は、疾患がなくかつ検査で陰性判定の105人 を 疾患なしの合計人数150人 で割った値0.70(70.0%)です。

    疾患あり 疾患なし 合計
検査で陽性判定 105 45 150
検査で陰性判定 55 105 160
  合計 160 150 310

表1. ある検査で陽性あるいは陰性と判定された人数

陽性的中率とは?

陽性的中率とは、

検査で陽性と判定された人の中で、本当に疾患のある人の確率

です。論文ではPositive Predictive Value(PPV)と表現されることが多く、

表1の 疾患ありかつ検査で陽性判定の105人 を 陽性判定された疾患ありと疾患なしの合計人数150人 で割った値ですので0.7(70%)です。

陰性的中率とは?

陰性的中率とは、

検査で陰性と判定された人の中で、本当に疾患のない人の確率

です。論文ではNegative Predictive Value(NPV)と表現されることが多く、

表1の 疾患なしかつ検査で陰性判定の105人 を 陰性判定された疾患ありと疾患なしの合計人数160人 で割った値ですので0.6562(65.6%)です。

まとめ

感度と特異度からは、検査の精度を知ることができる。

ただ現場で必要となるのは的中率。しかし、この的中率は、例えばインフルエンザ感染症の症状が発症する確率に左右されてしまいます。

つまり夏にインフルエンザ様症状が出た場合(有病率が低い場合)と、冬に症状が出た場合(有病率が高い場合)とでは、検査結果に差が生まれるということです。

もう少し詳しく説明すると、夏場にインフルエンザ様症状が認められた場合、冬場に比べ有病率が低くなるため、検査で陽性が出る確率が低くなります。

そこで必要となるのが尤度比です。少し長くなってしまったので、尤度比については次回。

]]>

コメント

タイトルとURLをコピーしました