【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】高コレステロール血症および糖尿病性網膜症を有すハイリスク日本人ではコレステロールを下げた方が良いですか?(EMPATHY trial; Diabetes Care 2018)

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Intensive Treat-to-Target Statin Therapy in High-Risk Japanese Patients With Hypercholesterolemia and Diabetic Retinopathy: Report of a Randomized Study Itoh et al. (EMPATHY Investigators) Diabetes Care 2018 Apr; dc172224. PMID: 29626074

目的

糖尿病は心臓血管(CV)イベントの高リスクと関連している。特に脂質異常症および糖尿病性合併症を有する患者において顕著である。高コレステロール血症および糖尿病性網膜症を有し、かつ冠状動脈疾患の既往のない患者で、脂質低下療法における厳格治療と従来治療の比較(treat-to-target strategy)、および CVイベント発生率を検討した。 研究デザインと方法 本試験は多施設で PROBE法(前向き、ランダム化、オープンラベル、評価者のみブラインド)を用いて実施した。 試験参加者は、厳格治療群(LDLコレステロール <70 mg/dL, n = 2,518)あるいは従治療群(LDL-C 100120 mg/dL, n = 2,524)へランダムに 11で割り付けた。 LDL-C <70 mg/dL(動脈硬化性疾患予防ガイドラインで2次予防のために 70未満を推奨) LDL-C 100120 mg/dL(糖尿病ガイドラインで合併症1次予防のために 120未満を推奨)

結果

試験フォローアップは平均 37±13ヶ月であった。36カ月後の LDL-Cは、厳格治療群で 76.5±21.6 mg/dL、従来治療群で 104.1±22.1 mg/dLであった(P <0.001)。 プライマリーアウトカムのイベント数は、厳格治療群で 129人、従来治療群で 153人であった。   ハザード比[HR] =0.84(95%CI 0.67〜1.07, P = 0.15 両群間における LDL-Cの差と事象の減少率は、糖尿病患者の主要予防研究と一致していた。 探索的所見では、厳格治療群の脳イベントが有意に少なかった(HR =0.52 [95%CI 0.31〜0.88]、P = 0.01)。 安全性は両群間で有意な差は認められなかった。

結論

グループ間の LDL-Cの差が当初の予想よりも低かったため(36ヶ月間の治療で27.7 mg/dL)、厳格治療による CVイベントまたは CV関連死の有意な減少は見られなかった。 高リスク患者の治療対標的戦略(treat-to-target strategy)において、LDL-C <70mg/dLを達成する潜在的利益は、さらなる調査を実施することに値する。

コメント

アブストのみ。 プライマリー・アウトカムに有意な差は認められなかったが、これについて著者は LDL-Cの差が少なかったためであるとコメントしている。個人的には LDL-C 27.7 mg/dL以上開いたところで差は認められないのではないかと考えている。ベースラインの値が低いこと、CAD既往がないこと、また脂質低下に効果を求めすぎていることが要因であると考えられる。 どこかに関連論文あったような気がするけど忘れた。      

-Evidence never tells you what to do-




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