Add-On Antihypertensive Medications to Angiotensin-Aldosterone System Blockers in Diabetes. A Comparative Effectiveness Study Schroeder EB et al. The Clinical Journal of the American Society of Nephrology 2018 PMID: 未
背景と目的
糖尿病患者の重大な腎臓イベントのリスクについて、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE-I)またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)への(他クラスの)降圧薬追加による有効性の比較は依然として不明である。方法(試験デザイン・参加者・評価)
多施設コホート研究には 21,897名の糖尿病患者が組み入れられた。ACE-Iあるいは ARB使用中の患者へ、β-ブロッカー、ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル遮断薬、ループ利尿薬、またはチアジド系利尿薬の追加効果について検討した。 傾向スコア重み付け法を伴う Cox比例ハザードモデルを用いて、重大な腎イベント、心血管イベント、および死亡への寄与リスクについて検討した。 複合重大腎イベントのエンドポイントは、eGFRが 30~59 ml/ min/ 1.73 m2/日、透析開始、または腎移植の初発として定義された。 複合心血管イベントのエンドポイントは、急性心筋梗塞、急性冠症候群、脳卒中、またはうっ血性心不全による入院の最発として定義された。 冠動脈バイパス移植(CABG)と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)については、ベースライン時に心血管疾患がない患者でのみ検査された。結果
最大 5年間の追跡期間中、重大な腎イベントが 4,707、死亡が 1,498、そして心血管イベントが 818発生した。 重大な腎イベント
チアジド系利尿薬と比較して、
β遮断薬 HR =0.81(95%CI 0.74~0.89)
カルシウムチャネル遮断薬 HR =0.67(0.58~0.78)
ループ利尿薬 HR =1.19(1.00~1.41)
死亡
チアジド系利尿薬と比較して、
β遮断薬 HR =1.19(0.97~1.44)
カルシウムチャネル遮断薬 HR =0.73(0.52~1.03)
ループ利尿薬 HR =1.67(1.31~2.13)
心血管イベント
チアジド利尿薬と比較して、
β-ブロッカー HR =1.65(1.39~1.96)
カルシウムチャネル遮断薬 HR =1.05(0.80~1.39)
ループ利尿薬 HR =1.55(1.05~2.27)
結論
ACE-Iあるいは ARBへのカルシウムチャネル遮断薬の追加は、チアジド系利尿薬の追加と比較して、重大な腎イベント発生リスクが低く、心血管イベントのリスクについては同様であった。コメント
糖尿病患者に利尿剤は使いづらいですよね。個人的には、ループ利尿薬を選択する可能性は大分低くなる。-Evidence never tells you what to do-
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