自己対照研究 Self-Controlled Study Design
定義
Self-Controlled Study Designとは、ある疾患を発症した患者(ケース)のみを解析対象とする研究デザイン。同ケースにおける時点の異なる情報を対照(コントロール)として扱うことで、疾患と曝露の関連を評価する手法。
自己対照研究デザインの種類
Self-Controlled Case Series
Case-Crossover
Sequence Symmetry Analysis
本研究デザインのメリット
性別や遺伝的要因、生活習慣などの時間非依存性変数の影響を排除することができる。そのため “バイアスリスクを生じる可能性のある因子情報を入手できない” というデータの限界をカバーできる。
本研究デザインのデメリット
交絡因子を完全には排除あるいは調整できない。
個々をケースコントロールとするため疾患の重症度による調整を行うことが難しい。
未知の交絡因子がある場合、多分に影響を受ける。
通常の臨床研究よりも Misclassification biasや non-negligible biasを生じやすい。
コメント
どのようなバイアスが生じやすいのか、また調整すべき交絡因子には何があるのか、未知の交絡因子が必ず存在することを念頭に置くことが肝要ではないかと思います。そして研究対象にあったデザインを選択することでバイアスリスクを低くすることができるのではないでしょうか。
参考文献
Greenland S.
Confounding and exposure trends in case-crossover and case-time-control designs. Epidemiology. 1996 May; 7(3): 231-239.(PMID:
8728434)
Hallas J
et al.
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Takeuchi Y
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29310575)]]>
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