【比較試験】ボノサップ®パックによるピロリ菌除菌は400と800で差がありますか?
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2018.01.302020.06.14
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背景 ピロリ菌の除菌においてパック製剤がよく使用されている。特に私の周囲ではランサップ®️パックやボノサップ®️パックの処方率が高い。これらのパック製剤は含まれるクラリスロマイシンの用量によって400と800の2規格が販売されている。
目的
ランサップ®️とボノサップ®️の違い、また薬剤用量による除菌率の差異を明らかにする。
結果
まず従来のランサップ®️と、比較的新しいボノサップ®️のピロリ菌除菌率を比較してみよう。 以下は 2016 年 5 月発売のボノプラザン(商品名:タケキャブ)の添付文書から作成。
( )*は除菌成功例数/評価例数 a)13 C-尿素呼気試験の結果が陰性
除菌失敗についての危険度 は以下の通り: ・相対危険度 Relative Risk (RR): 0.30784 ・相対危険度減少率 Relative Risk Reduction (RRR): 69.2% ・絶対危険度減少率 Absolute Risk Reduction (ARR): 16.7%
つまりボノサップはランサップと比べ、除菌失敗を 16.7% 減らせる。 ボノプラザンを使用すると除菌率 90%超え! (ピロリ菌除菌の是非はおいといて )日本でのピロリ菌除菌はボノサップ®️パック(1次除菌)とかボノピオン®️パック(2次除菌)で良いんじゃない?というのが個人的感想 しかも1週間で除菌完了する。 但し、日本ではクラリスロマイシン耐性菌が多いとの報告もありますので、今後、治療レジメンが変更になる可能性も充分にあると思います。 ちなみにボノサップパックもクラリスロマイシンの用量で 400 と 800 のパック製剤が販売されていますが除菌率に差異はないようです。では、
なぜ 2 規格販売になったのか?
これはランサップにならってというのが背景にあるそうです。 T 社の MR さんは、除菌率変わらないので薬価やコンプライアンスの観点からもボノサップパック 400 を推奨しています。できればデータを示して欲しいですよね! と、いうことで調べてみました。
Vonoprazan, a novel potassium-competitive acid blocker, as a component of first-line and second-line triple therapy for Helicobacter pylori eradication: a phase III, randomised, double-blind study.
Murakami K et al . Gut. 2016 Sep;65(9):1439-46. PMID: 26935876
方法
ボノプラザン 20 mg+アモキシシリン 750 mg+クラリスロマイシン 200 mg あるいは 400 mg(すべて 1 日 2 回、7 日間)の投与によるピロリ菌除菌率を検討した。
除菌率は?
・クラリスロマイシン 400 mg/day 投与群: 93.3% (152/163) ・クラリスロマイシン 800 mg/day 投与群: 91.9% (148/161)
実はこの試験結果、インタビュー フォームに記載されていました。
-Evidence never tells you what to do-
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