Kidney disease is associated with in-hospital death of patients with COVID-19
Yichun Cheng et al.
Kidney Int. 2020 May;97(5):829-838. doi: 10.1016/j.kint.2020.03.005. Epub 2020 Mar 20.
PMID: 32247631
PMCID: PMC7110296
DOI: 10.1016/j.kint.2020.03.005
Keywords: COVID-19; acute kidney injury; in-hospital death; kidney disease; pneumonia.
背景
2019年12月、中国湖北省武漢市でコロナウイルス2019(COVID-19)感染症が発生し、世界各地に急速に拡大した。びまん性肺胞損傷と急性呼吸不全が主な特徴であったが、他の臓器の関与については検討が必要である。COVID-19患者の腎臓病に関する情報は限られているため、COVID-19患者における急性腎障害(AKI)の有病率を明らかにした。さらに、COVID-19患者における腎機能異常のマーカーと死亡との関連を評価した。
方法および結果
・本研究は、2020年に武漢で発生したCOVID-19の大規模流行後、3つの関連施設を含む第3次教育病院に入院したCOVID-19患者701例を対象としたプロスペクティブコホート研究であり、そのうち113例(16.1%)が院内で死亡した。
・患者の年齢中央値は63歳(四分位範囲 50~71歳)で、男性367例、女性334例が含まれていた。
・入院時に蛋白尿が43.9%、血尿が26.7%であった。
・血清クレアチニン上昇、血中尿素窒素上昇、推定糸球体濾過量60ml/min/1.73m2未満の有病率はそれぞれ14.4、13.1、13.1%であった。
・試験期間中にAKIが発生したのは5.1%の患者であった。
・Kaplan-Meier解析の結果、腎疾患を有する患者では院内死亡リスクが有意に高いことが示された。Cox比例ハザード回帰では、ベースラインの血清クレアチニン上昇(ハザード比 2.10、95%信頼区間1.36~3.26)、ベースラインの血中尿素窒素上昇(3.97、2.57~6.14)、AKIステージ1(1.90、0.76~4.76)、ステージ2(3.51、1.49~8.26)、ステージ3(4.38、2.31〜8.31)、蛋白尿1+(1.80、0.81〜4.00)、2+〜3+(4.84、2.00〜11.70)、血尿1+(2.99、1.39〜6.42)、2+〜3+(5.56、2.58〜12.01)は、年齢、性別、重症度、併存疾患、白血球数を調整した後、独立した院内死亡の危険因子であった。
結論
このように、我々の所見は、COVID-19患者における入院時の腎臓病の有病率と入院中のAKI発症率が高く、院内死亡率と関連していることを示している。したがって、臨床医は重症COVID-19患者の腎臓病に対する意識を高めるべきである。
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