COVID-19に対する抗SARS-CoV-2 IgG/IgM検査の診断効果はどのくらいですか?(メタ解析; J Med Virol. 2020)

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Diagnostic efficacy of anti-SARS-CoV-2 IgG/IgM test for COVID-19: A meta-analysis

Zu-Li Zhang et al.

J Med Virol. 2020 Jun 22;10.1002/jmv.26211. doi: 10.1002/jmv.26211. Online ahead of print.

PMID: 32568413

PMCID: PMC7361902

DOI: 10.1002/jmv.26211

Keywords: COVID-2019; SARS-CoV-2; antibody; diagnostic efficacy.

背景

抗SARS-CoV-2免疫グロブリンG(IgG)および/またはIgMの血清学的検査は、COVID-19の診断に広く用いられている。しかし、その診断効果については不明な点が多い。

方法

本研究では、Web of Science、PubMed、Embase、CNKI、Wanfangのデータベースから診断研究を検索し、二変量ランダムエフェクトモデルメタアナリシスを用いてプールされた診断精度指標を算出した。

結果

・SARS-CoV-2患者2,282例、健常者またはSARS-CoV-2なしの患者1,485例を含む合計1,613件の論文から22件をメタ解析の対象とした。

・プールされた感度、特異度、およびサマリーレシーバー演算子曲線(SROC)の曲線下面積は以下のとおりであった。

 抗SARS-CoV-2 IgG

  • 感度   :0.85、95%信頼区間[CI] 0.79~0.90
  • 特異度  :0.99、95%CI 0.98~1.00
  • 曲線下面積:0.99、95%CI 0.97~0.99

 IgM

  • 感度   :0.74、95%CI 0.65~0.81
  • 特異度  :0.99、95%CI 0.97~1.00
  • 曲線下面積:0.95、95%CI 0.93~0.97

・検出法間のサブグループ分析では、酵素結合免疫吸着法によるIgGおよびIgMの感度は、金(コロイド)免疫クロマトグラフィー法(GICA)および化学発光免疫測定法による感度に比べてわずかに低いことが示された(P>0.05)。

Table 3. 本文より引用

結論

これらの結果から、抗SARS-CoV-2 IgGおよびIgMの検出は、SARS-CoV-2感染症の診断を助ける高い診断効率を有していることが示された。また、GICAはその精度と簡便性から好ましい方法であると考えられる。

✅まとめ✅ 抗SARS-CoV-2のIgG(感度 0.85、特異度 0.99)およびIgM(感度 0.74、特異度 0.99)の精度に大きな差は認められなかったが、試験方法としては金(コロイド)免疫クロマトグラフィー法が好ましいようであった

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