Chest CT for Detecting COVID-19: A Systematic Review and Meta-Analysis of Diagnostic Accuracy
Eur Radiol. 2020 May 15;1-8. doi: 10.1007/s00330-020-06934-2. Online ahead of print.
PMID: 32415585
PMCID: PMC7227176
DOI: 10.1007/s00330-020-06934-2
Keywords: Coronaviruses; Pneumonias; X-ray computed tomography.
目的
本論文の目的は、コロナウイルス疾患検出のための胸部CTの診断検査精度2019(COVID-19)に関するシステマティックレビューおよびメタアナリシスを行うことであった。
方法
PubMed、Embase、Web of Science、CNKIを2020年3月12日までに検索した。
COVID-19検出のための胸部CTの診断検査精度に関する情報を提供している研究を含めた。
方法論の質は、診断精度研究の質評価-2ツール(Quality Assessment of Diagnostic Accuracy Studies-2 tool)を用いて評価した。
感度と特異度はプールした。
結果
・研究16 件(n = 3,186)が組み入れられた。
・すべての研究におけるバイアスのリスクは一般的に中程度であった。
・プールされた感度は92%(95%CI 86~96%)で、特異度は研究2件で報告され、それぞれ25%(95%CI 22~30%)および33%(95%CI=23~44%)だった。
・CochranのQ検定(p<0.01)およびHiggins I2不均一性指数(感度は96%)によると、実質的な不均一性が認められた。
・研究を施設別に2つのグループに分けたところ、流行の影響を最も受けた都市である武漢では胸部CTの感度が高く、感度値も非常に近い(武漢で実施された3研究の結果:97%、96%、99%)ことがわかった。
・武漢以外の地域では、感度は61~98%であった。
結論
胸部CTは、特に流行状況の厳しい地域ではCOVID-19を検出するために非常に高い感度を提供している。しかし、特異度は低い。
緊急時の疾病管理の観点から,胸部CTは迅速,簡便かつ効果的に疑わしい症例を早期に発見することができ,流行の封じ込めに貢献する可能性がある。
重要なポイント
胸部CTはCOVID-19の検出感度が高く、特に重篤な流行地域では、疑わしい症例の早期発見に役立ち、流行の封じ込めに貢献する可能性がある。
コメント
COVID-19に対する胸部CTの感度・特異度を検討した研究。組み入れられた研究数16件とまだまだ少ないですが、有益な報告です。
さて、検討結果によるとCOVID-19に対する胸部CTの感度は92%(95%CI 86~96%)、特異度は25%(95%CI 22~30%)および33%(95%CI=23~44%)でした。
また感度値については、武漢で実施された3研究で97%、96%、99%と高く、他の地域では61〜98%だったとのこと。
重症患者が多い地域では、胸部CTがよりじゅうようかもしれないですね。
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