Hayhoe B et al.
Br J Gen Pract. 2019
Aug 27. pii: bjgp19X705461. doi: 10.3399/bjgp19X705461. [Epub ahead of print]
PMID: 31455642
【背景】
プライマリケアに統合された薬剤師が患者の転機と満足度を改善できることを示す証拠があるが、ヘルスケアシステムへの影響は不明である。
【目的】
薬剤師のプライマリケアへの統合が、ヘルスケアの利用率やコストなどのヘルスシステムインジケーターに及ぼす主要な影響を特定する。
【試験設計と設定】
文献の体系的なレビュー。
【方法】
Embase、MEDLINE、Scopus、Health Management Information Consortium、CINAHL、Cochrane Central Register of Controlled Trialsデータベース、および関連する研究の参照リストが調査された。
2018年6月までに公開されたランダム化比較試験(RCT)および観察研究では、薬剤師のプライマリケアへの統合による健康システムのアウトカムを検討した。
Cochrane risk of bias品質評価ツールを使用して、RCTのバイアスリスクを評価した。国立衛生研究所、国立心臓、肺、血液研究所の品質評価ツールが観察研究に使用された。データは公開されたレポートから抽出され、調査結果が統合された。
【結果】
・検索により3,058件の研究が特定され、そのうち28件が選択基準を満たした。
・含まれた研究のほとんどは、公正な品質のものだった。
・プライマリケアの薬剤師は、総合診療(General Practitioner, GP)の予約回数を減らし、救急部門(ED)への受診を減らしたが、全体的なプライマリケアの使用を増やした。
・入院への影響はなかったが、全体的な健康システムと投薬コスト節約のいくつかの証拠があった。
【結論】
薬剤師をプライマリケアに統合すると、GPの作業負担とED受診を減らすことができる。ただし、介入の費用対効果と健康システムのアウトカムに対する長期的な影響を明らかにするための研究を含む、さらに質の高い研究が必要である。
【コメント】
アブストのみ。
28件の研究をレビューしたところ、薬剤師がヘルスケアチームに組み入れられることで、受診回数を減らす可能性が示唆された。ただし本研究はアウトカム毎のメタ解析を行っておらず、広く文献をレビューし、研究の質が高い文献を抽出したようだ。
世間?中医協?からエビデンスを求められている昨今。薬剤師による介入や参画の結果、患者アウトカムに対する影響を示していく必要があるのだと思います。まぁ日常業務として実践することは変わりませんが。
しかし、どの研究も病院薬剤師がメインであると予測されます。薬局薬剤師の参画による患者アウトカムへの影響についても検討したいところ。他の文献を探してみます。
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