目的
初心者サーファーにおける非外傷性脊髄損傷の臨床的特徴について報告する (surfers’ myelopathy)。
方法
2002年6月~2011年11月までの間、ハワイ最大の第三次紹介病院への入院時において、電子カルテのサーフィンに関連する非外傷性脊髄損傷患者データを対象に遡及的レビュー(retrospective review)が行われた。
米国脊髄損傷協会スケール( the American Spinal Injury Association Impairment Scale: AIS)による層別化は、入院時およびフォローアップ時に実施した。血圧測定および最適化、コルチコステロイドの使用、および診断評価を含む臨床管理をレビューした。フォローアップ情報は、病院訪問、電話インタビュー、そして電子メールによって外傷3年後まで得られた。
結果
15〜46歳の19人の患者(うち男性が14人)において、全患者がサーフィン中に突発的な腰痛を訴え、続いて両側の脚のしびれおよび麻痺症状が10〜60分かけて進行した。
対象患者すべてが初心者サーファー(未熟者)だった。 19例中17例では、サーフィン自体が初めてだった。
T2強調MRIでは、すべての患者が下部胸部脊髄から髄質髄質に高強度であった。脊髄拡散強調MRIを受けた10人の患者のうち6人に、この領域の拡散が制限されていた。
AISスコアが悪化した患者では、フォローアップ時の改善はわずかであった。血圧、コルチコステロイドおよび造影結果は、追跡調査時の神経学的欠損の重篤さに関連していなかった。
結論
サーファーズ・ミエロパシーの原因は不明であるが、急速な発症と限られた拡散の存在は、虚血性損傷を示唆している。入院重症度は、神経学的転帰を最も予測するようである。
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