重症低血糖後の急性冠症候群リスクはどのくらいですか?(日本 人口ベース後向き研究; J. Diabetes Investig. 2019
Absolute risk of acute coronary syndrome after severe hypoglycemia: A population‐based 2‐year cohort study using the National Database in Japan
Nishioka Y et al.
Journal of Diabetes Investigation 2019
PMID: 未
【試験の目的】
低血糖と急性冠症候群(ACS)のリスク増加との疫学的関係は十分に確立されているが、重度の低血糖エピソード後のACSリスク増加の期間は不明のままである。
本研究の目的は、重度の低血糖エピソード後のACSリスクを決定することである。
【方法】
日本での国家請求データに基づいて、後ろ向き集団ベースのコホート研究を実施した。 ACSの絶対リスクは、重度の低血糖エピソード後の緊急経皮的冠動脈インターベンションの発生として定義された。
35歳以上の糖尿病患者のデータを取得した。
【結果】
・合計7,909,626人のデータが分析に含まれた。
・ACSの絶対リスクは、すべての患者で1,000人年のうち2.9だった。
・重度の低血糖エピソードを有する患者のACSリスクは、1,000人年のうち3.0だった。
・重度の低血糖エピソードは、70歳以上の患者ではACSの絶対リスクを増加させたが、70歳未満の患者ではそうではなかった。
・ACSの絶対リスクは、重度の低血糖エピソードから10日以内において1,000人年のうち10.6だった。
・重度の低血糖エピソード後の期間が短くなることとACSリスクが高くなることの間には、重要な傾向があった。
【結論】
重度の低血糖は、高齢糖尿病患者のACSリスク増加と関連していた。 ACSリスクは、重度の低血糖エピソード後の短い期間で増加し、重度の低血糖が糖尿病患者のACSリスク増加につながることを示唆している。
これらの発見は、特に高齢患者において、糖尿病の治療中に重度の低血糖を回避することが重要であることを示している。
【コメント】
アブストのみ。
日本の大規模データベース後向き研究。意外だったのは重度の低血糖後のACSリスク増加は70歳以上でのみ認められた点。
あくまで仮説生成であるが70歳以上の結果は過去の報告と矛盾しない。
なぜ若年〜中年層でリスク増加が認められなかったのか気になるところ。
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