SGLT-2阻害薬の心筋梗塞発症率に対する効果はどのくらい?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2023)

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SGLT-2阻害薬による心筋梗塞の発症予防効果はどのような患者集団で認められるのか?

ナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害薬は、2型糖尿病治療薬として開発されましたが、その後、心不全や腎臓病にも適応を拡大しました。これらの疾患は

2型糖尿病の有無にかかわらず心筋梗塞(MI)発症を減少させるかどうかを評価する。

方法:PubMed、Embase、Web of Science、Cochrane library、https://ClinicalTrials.gov、2022年5月7日まで検索した。SGLT2阻害薬治療がMI発症率に及ぼす影響を報告したランダム化比較試験(RCT)およびコホート研究を対象とした。MI発症率に関する95%信頼区間(CI)付きの相対リスク(RR)を抽出し、プールした。異質性を検討するためにサブグループ解析とメタ回帰を行った。

試験結果から明らかになったことは?

このメタ解析では54件のRCTと32件のコホート研究が対象となり、6種類のSGLT2阻害薬と394,423例のデータが含まれました。

相対リスク RR
(95%CI)
ランダム化比較試験RR 0.90
0.84〜0.96
コホート研究RR 0.89
0.83〜0.94

全体解析において、SGLT2阻害薬はRCT(RR 0.90、95%CI 0.84〜0.96)およびコホート研究(RR 0.89、95%CI 0.83〜0.94)においてMI発症率を有意に減少させました。

サブグループ解析の結果、RCTでは、SGLT2阻害薬の種類、対照薬の種類、心血管疾患(CVD)の状態、アウトカムの抽出源の違いによるアウトカムの有意な変化は認められませんでした(交互作用のp>0.05)。コホート研究では、CVDの有無によってSGLT2阻害薬のMI発症率減少効果は同等でした(交互作用のp=0.179)。しかし、コホート研究では対照群の種類によって結果にばらつきがみられました(交互作用のp=0.036)。

メタ回帰の結果からは、ベースラインの心血管危険因子、追跡期間、MI発症率の間に関連はみられませんでした。

コメント

さまざまな糖尿病治療薬が使用されていますが、なかでもSGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬による心血管イベントの発生抑制効果が示されていることから、診療ガイドラインでの推奨度が上位となっています。しかし、この抑制効果が対象により異なるかについては充分に検証されていません。

さて、メタ解析の結果、ランダム化比較試験およびコホート研究のいずれにおいても、SGLT2阻害薬は心筋梗塞(MI)発症率を減少させました。また、SGLT2阻害薬の心保護作用は、CVDの既往の有無にかかわらず観察されました。

組み入れられた試験によって、結果が異なることから、引き続き検証が求められますが、SGLT-2阻害薬が心筋梗塞の発症リスクを低減させることは一貫して認められるようです。特に心血管イベントのリスクが高い患者においては、SGLT-2阻害薬の使用を検討しても良いかもしれません。

続報に期待。

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✅まとめ✅ ランダム化比較試験およびコホート研究のいずれにおいても、SGLT2阻害薬はMI発症率を減少させた。SGLT2阻害薬の心保護作用は、CVDの既往の有無にかかわらず観察された。

根拠となった試験の抄録

目的:ナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害薬が2型糖尿病の有無にかかわらず心筋梗塞(MI)発症を減少させるかどうかを評価する。

方法:PubMed、Embase、Web of Science、Cochrane library、https://ClinicalTrials.gov、2022年5月7日まで検索した。SGLT2阻害薬治療がMI発症率に及ぼす影響を報告したランダム化比較試験(RCT)およびコホート研究を対象とした。MI発症率に関する95%信頼区間(CI)付きの相対リスク(RR)を抽出し、プールした。異質性を検討するためにサブグループ解析とメタ回帰を行った。

結果:このメタ解析には54件のRCTと32件のコホート研究が含まれ、6種類のSGLT2阻害薬と394,423例のデータが含まれた。全体解析において、SGLT2阻害薬はRCT(RR 0.9、95%CI 0.84〜0.96)およびコホート研究(RR 0.89、95%CI 0.83〜0.94)においてMI発症率を有意に減少させた。RCTでは、サブグループ解析の結果、SGLT2阻害薬の種類、対照薬の種類、心血管疾患(CVD)の状態、アウトカムの抽出源の違いによるアウトカムの有意な変化は認められなかった(交互作用のp>0.05)。コホート研究では、CVDの有無によってSGLT2阻害薬のMI発症率減少効果は同等であった(交互作用のp=0.179)。しかし、コホート研究では対照群の種類によって結果にばらつきがみられた(交互作用のp=0.036)。メタ回帰の結果からは、ベースラインの心血管危険因子、追跡期間、MI発症率の間に関連はみられなかった。

結論:RCTおよびコホート研究のいずれにおいても、SGLT2阻害薬はMI発症率を減少させた。SGLT2阻害薬の心保護作用は、CVDの既往の有無にかかわらず観察された。

キーワード:コホート研究、メタ解析、心筋梗塞、ランダム化比較試験、ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害薬。

引用文献

Effect of sodium-glucose cotransporter-2 inhibitors on myocardial infarction incidence: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials and cohort studies
Xiaoru Huang et al. PMID: 38086546 DOI: 10.1111/dom.15405
Diabetes Obes Metab. 2023 Dec 12. doi: 10.1111/dom.15405. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38086546/

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