日本における心不全入院の季節変動と院内死亡リスクの特徴は?(データベース研究; J Cardiol. 2023)

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心不全の増悪が冬に多いというのは本当なのか?

心不全(HF)による入院と死亡の季節的変動は冬にピークを迎えることが報告されていますが、その多くは欧米の研究結果に基づいています。一方、米国以外の患者を対象としたいくつかの研究では対照的な結果が報告されています。

そこで今回は、日本における心不全による入院に季節変動が存在するかどうかを明らかにするとともに、入院中の死亡リスクを調査し、そのような変動の原因となりうるものを検討することを目的に実施されたデータベース研究の結果をご紹介します。

本研究は、2008年から2018年にかけてのHFによる入院269,636例を対象とした既報の探索的解析です。4月を基準月とした線形回帰モデルを用いて、HFによる月別入院率が評価されました。院内死亡および月次死亡のリスク因子は、Cox比例ハザードモデルにより評価されました。

試験結果から明らかになったことは?

https://www.journal-of-cardiology.com/cms/attachment/716c319d-8afb-4836-a1fe-34e20c747981/ga1.jpgより引用

心不全による入院は夏季よりも冬季に有意に多いことが示されました。

入院率のピークは1月で、最も低かったのは7月でした。4月に基づき、1ヵ月あたりの入院回数の変化について線形重回帰分析により推定されました(調整後R2=0.911)。

入院中の死亡リスクは4月が最も低く、8月から10月にかけて徐々に増加しました(ハザード比 1.18〜1.21)。

コメント

高齢化にともない、併存疾患の増加、特に心不全の合併率が増加しています。心不全による入院と死亡の季節的変動は冬にピークを迎えることが知られていますが、日本における季節変動に関連する心不全転帰については明らかとなっていません。

さて、日本のデータベース研究の結果、心不全による入院には有意な季節変動がみられ、入院率のピークは1月でした。しかし、入院中の死亡リスクは1月よりも8月、9月、10月の方が高いことが明らかとなりました。

心不全の増悪による入院リスクは、海外の報告と同様に冬場にピークを迎えることが明らかとなりましたが、一方、死亡リスクは夏〜秋にかけて徐々に増加しました。この特徴を明らかにし、死亡リスクを低減するための対策立案を行うために、さらなる検証が求められます。

続報に期待。

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✅まとめ✅ データベース研究の結果、日本における心不全による入院には有意な季節変動がみられた。入院率のピークは1月であった。しかし、入院中の死亡リスクは1月よりも8月、9月、10月の方が高かった。

根拠となった試験の抄録

背景:心不全(HF)による入院と死亡の季節的変動は冬にピークを迎えることが報告されているが、その多くは欧米の研究である。しかし、米国以外の患者を対象としたいくつかの研究では対照的な結果が報告されている。われわれは、日本における心不全による入院に季節変動が存在するかどうかを明らかにし、入院中の死亡リスクを調査し、そのような変動の原因となりうるものを検討することを目的とした。

方法:本研究は、2008年から2018年にかけてのHFによる入院269,636例を対象とした我々の既報の探索的解析である。4月を基準月とした線形回帰モデルを用いて、HFによる月別入院率を評価した。院内死亡および月次死亡のリスク因子は、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。

結果:HFによる入院は夏季よりも冬季に有意に多かった。入院率のピークは1月で、最も低かったのは7月であった。4月に基づき、1ヵ月あたりの入院回数の変化を線形重回帰分析を用いて推定した(調整後R2=0.911)。入院中の死亡リスクは4月が最も低く、8月から10月にかけて徐々に増加した(ハザード比 1.18〜1.21)。

結論:日本におけるHF入院には有意な季節変動がみられた。入院率のピークは1月であった。しかし、入院中の死亡リスクは1月よりも8月、9月、10月の方が高かった。

キーワード:心不全、高血圧、低心拍出量症候群、季節変動、冬季優位性

引用文献

Investigating the seasonal variation of heart failure hospitalizations and in-hospital mortality risks in Japan using a nationwide database
Hideyuki Matsuda et al. PMID: 37666321 DOI: 10.1016/j.jjcc.2023.08.014
J Cardiol. 2023 Sep 2;S0914-5087(23)00219-8. doi: 10.1016/j.jjcc.2023.08.014. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37666321/

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