ピーナッツアレルギーの幼児1~3歳に対する表皮免疫療法の効果はどのくらい?(DB-RCT; EPITOPE試験; N Engl J Med. 2023)

person holding allergy medicine bottle 08_炎症・免疫・アレルギー系
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根拠となった試験の抄録

背景:4歳未満の幼児に対するピーナッツアレルギーの治療法は承認されておらず、ピーナッツアレルギーの幼児に対するピーナッツパッチによる経皮免疫療法(epicutaneous immunotherapy)の有効性と安全性は不明である。

方法:二重盲検プラセボ対照フードチャレンジによりピーナッツアレルギーが確認された幼児1~3歳を対象に、この第3相多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照試験を実施した。ピーナッツタンパク質の誘発量(アレルギー反応を引き起こすのに必要な量)が300mg以下の患者を、ピーナッツパッチによる経皮免疫療法を受ける群(介入群)とプラセボを12ヵ月間毎日投与する群に2:1の割合で割り付けた。
主要評価項目は、12ヵ月後のピーナッツタンパク質の誘発量によって測定される治療反応であった。安全性は、ピーナッツパッチまたはプラセボ使用中の有害事象の発生状況により評価された。

結果:ランダム化を受けた患者362例のうち、84.8%が試験を完了した。主要評価項目は、介入群では67.0%、プラセボ群では33.5%で観察された(リスク差 33.4%ポイント、95%信頼区間 22.4~44.5、P<0.001)。介入またはプラセボの使用中に発生した有害事象は、治療関連性によらず、介入群では100%、プラセボ群では99.2%で観察された。重篤な有害事象は介入群では8.6%、プラセボ群では2.5%に発生し、アナフィラキシーはそれぞれ7.8%と3.4%に発生した。重篤な治療関連有害事象は、介入群では0.4%に発生し、プラセボ群では皆無であった。治療関連のアナフィラキシーは、介入群で1.6%に発生し、プラセボ群では皆無であった。

結論:ピーナッツアレルギーの幼児1~3歳を対象とした本試験において、12ヵ月間の表皮免疫療法は、小児のピーナッツに対する脱感作およびアレルギー症状を誘発するピーナッツの投与量の増加においてプラセボより優れていることが示された。

資金提供:DBV Technologies

ClinicalTrials.gov登録番号:NCT03211247

引用文献

Phase 3 Trial of Epicutaneous Immunotherapy in Toddlers with Peanut Allergy
Matthew Greenhawt et al. PMID: 37163622 DOI: 10.1056/NEJMoa2212895
N Engl J Med. 2023 May 11;388(19):1755-1766. doi: 10.1056/NEJMoa2212895.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37163622/

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