根拠となった試験の抄録
背景と目的:粘膜瘻への注入(再給餌:Mucous Fistula Refeeding, MFR)は、腹部手術後にストーマ(ストマ:ostomy)が活動している場合に、近位ストーマからの排水を遠位粘膜瘻に導入して腸の生理機能を維持することにより、腸機能を最大限に高めることを目的としている。本研究の目的は、腹部手術後の新生児におけるMFRの有効性と合併症を評価することであった。
試験デザイン、設定、介入:ランダム化比較試験および観察研究のシステマティックレビューおよびメタ解析。PubMed、Embase、Cochrane、CINAHLは、MFRを受けたストーマを有する新生児とMFRを受けなかったストーマを有する新生児と比較した研究を含む研究を2022年6月まで検索した。
アウトカム:主要アウトカムは、非経口栄養の持続期間であった。副次的アウトカムは、完全経腸栄養までの時間、胆汁うっ滞の発生率、血清総ビリルビンのピーク値、敗血症、再吻合までの時間、入院期間であった。
結果:合計16件の観察研究が含まれた(n=623)。比較対象群と比較して、MFRを受けた新生児は非経口栄養の日数が少なかった(平均差 37.17日、95%CI -63.91 ~ -10.4、n=244、5研究、GRADE: 低い)。さらに、MFRを受けた新生児は、胆汁うっ滞の発生率が低く、完全栄養に達するまでの時間が短く、入院期間が短かった。
結論:確実性の低いエビデンスでは、腹部手術およびストーマ造設後の新生児において、MFRは非経口栄養の投与期間の短縮と関連することが示唆された。現在進行中および将来のランダム化試験の結果が、これらの知見の裏付けに役立つと思われる。
キーワード:集中治療室、新生児、新生児学
引用文献
Mucous fistula refeeding in neonates: a systematic review and meta-analysis
Gonzalo Solís-García et al. PMID: 36858828 DOI: 10.1136/archdischild-2022-324995
Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2023 Mar 1;fetalneonatal-2022-324995. doi: 10.1136/archdischild-2022-324995. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36858828/
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