慢性ストレスに曝される若年成人におけるCP2305ガセリ菌錠(メンタルサポート ココカラケア)の効果はどのくらい?(DB-RCT; Nutrients. 2019)

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CP2305ガセリ菌錠(メンタルサポート ココカラケア)によるストレス軽減効果はどのくらいなのか?

Lactobacillus gasseri CP2305(CP2305ガセリ菌、L. gasseri CP2305)の短期投与は、健康な若年成人および過敏性腸症候群患者において、それぞれストレス関連症状および臨床症状を改善するこ可能性が示されています。しかし、充分に検討されていません。

そこで今回は、健康な若年成人を対象に、加熱不活性化した洗浄済みL. gasseri CP2305(CP2305)含有錠剤(商品名:メンタルサポート ココカラケア)の長期使用による有効性と健康効果を検討した二重盲検ランダム化比較試験の結果をご紹介します。

本試験では、医師国家試験を受験する日本人医学生60例(男性41例、女性19例)を対象に、CP2305含有錠剤またはプラセボ錠剤を1日1回、24週間摂取させるようランダム割り付けしました。

試験結果から明らかになったことは?

CP2305錠の摂取は、不安(Spielberger State-Trait Anxiety Inventoryで定量化)および睡眠障害(Pittsburgh Sleep Quality Indexで定量化)を、プラセボと比較して有意に減少させました。

シングルチャンネル睡眠脳波計では、CP2305が睡眠潜時および入眠後の覚醒時間を有意に短縮し、最初の睡眠サイクルにおけるデルタパワー比を増加させたことが示された。また、CP2305は、プラセボと比較して、唾液中のクロモグラニンA濃度を有意に低下させた。さらに、参加者の糞便の16S rRNA遺伝子配列解析から、CP2305錠の投与により、ストレスによるビフィドバクテリウム属菌の減少およびストレスによるストレプトコッカス属菌の上昇が減弱することが示された。

コメント

乳酸菌飲料や錠剤によるストレス緩和や睡眠の質向上が注目されていますが、実際の効果については充分に検討されていません。

さて、本試験結果によれば、慢性ストレスに曝される医学生を対象とした小規模な二重盲検比較試験において、CP2305含有錠剤(商品名:メンタルサポート ココカラケア)の長期使用により、ストレス状況下の健康成人の精神状態、睡眠の質および腸内細菌叢が改善する可能性が示されました。いずれの評価もスケールで定量化されていることから、統計学的解析によりプラセボと比較して有意な効果が示されたとしても、実臨床における効果(実感)は異なる可能性が高いです。実臨床における効果を推定するためにはMCID(臨床的に意義のある差異の最小差)を参照する必要があります。

不安の評価項目であるSpielberger State-Trait Anxiety Inventory(STAI)のMCIDは10ですが、本試験結果の群間差は約2、介入群のベースラインからの変化は2~4です。また、睡眠障害の評価項目であるPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)のMCIDは4.4(ベースラインからの変化)ですが、本試験結果の群間差は約0.8、介入群のベースラインからの変化は0.3です。したがって、実臨床で効果があるとまでは言えないと考えられます。ただし、これまでに報告されたMCID算出のための試験参加者と、本試験の参加者の背景が異なること、本試験は24週間までの結果であり、より長期間使用した場合の効果については不明であることには留意する必要があります。

続報に期待。

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☑まとめ☑ CP2305含有錠剤(商品名:メンタルサポート ココカラケア)の長期使用により、ストレス状況下の健康成人の精神状態、睡眠の質および腸内細菌叢が改善する可能性が示されたものの、実臨床における効果はわずかである。

根拠となった試験の抄録

背景:Lactobacillus gasseri CP2305(CP2305ガセリ菌、L. gasseri CP2305)の短期投与は、健康な若年成人および過敏性腸症候群患者において、それぞれストレス関連症状および臨床症状を改善することが明らかになった。健康な若年成人を対象に、加熱不活化した洗浄済みL. gasseri CP2305(CP2305)含有錠剤(商品名:メンタルサポート ココカラケア)の長期使用による有効性と健康効果を検討した。

方法:医師国家試験を受験する日本人医学生60例(男性41例、女性19例)に、CP2305含有錠剤またはプラセボ錠剤を1日1回、24週間摂取させるようランダム割り付けした。評価は二重盲検で実施された。

結果:CP2305錠の摂取は、不安(Spielberger State-Trait Anxiety Inventoryで定量化)および睡眠障害(Pittsburgh Sleep Quality Indexで定量化)を、プラセボと比較して有意に減少させた。シングルチャンネル睡眠脳波計では、CP2305が睡眠潜時および入眠後の覚醒時間を有意に短縮し、最初の睡眠サイクルにおけるデルタパワー比を増加させたことが示された。また、CP2305は、プラセボと比較して、唾液中のクロモグラニンA濃度を有意に低下させた。さらに、参加者の糞便の16S rRNA遺伝子配列解析から、CP2305錠の投与により、ストレスによるビフィドバクテリウム属菌の減少およびストレスによるストレプトコッカス属菌の上昇が減弱することが示された。

結論:我々は、CP2305含有錠剤の長期使用により、ストレス状況下の健康成人の精神状態、睡眠の質および腸内細菌叢が改善する可能性を結論づけた。

キーワード:糞便微生物叢、健康な若年成人、熱不活性化Lactobacillus gasseri CP2305、精神衛生、サイコバイオティクス、睡眠の質、ストレス。

引用文献

Health Benefits of Lactobacillus gasseri CP2305 Tablets in Young Adults Exposed to Chronic Stress: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study
Kensei Nishida et al. PMID: 31405122 PMCID: PMC6723420 DOI: 10.3390/nu11081859
Nutrients. 2019 Aug 10;11(8):1859. doi: 10.3390/nu11081859.
— 読み進める pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31405122/

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