血液透析患者の貧血治療におけるダプロデュスタット週3回投与の効果は?(DB-RCT; ASCEND-TD試験; Clin J Am Soc Nephrol. 2022)

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血液透析患者の貧血治療においてダプロデュスタットの週3回投与は有効か?

ダプロデュスタットは、慢性腎臓病(CKD)の貧血治療薬として使用されている低酸素誘導因子プロリル水酸化酵素阻害薬(HIF-PHI)です。2022年8月現在、ダプロデュスタット(商品名:ダーブロック)は、腎性貧血に対して1日1回投与で承認されています。HIF-PHIとしてロキサデュスタット(商品名:エベレンゾ)は、血液透析患者における貧血治療において週3回の投与で承認されていますが、ダプロデュスタットが同様の投与回数で貧血治療を行えるのか検証されていません。

そこで今回は、先行する赤血球造血刺激因子製剤(ESA)から切り替えた血液透析患者において、ダプロデュスタットを週3回投与した場合とエポエチンアルファ(エポエチン)を比較した非劣性試験の結果をご紹介します。

本試験では、ベースラインのヘモグロビン値が8~11.5g/dLでESAが投与されている血液透析患者を、ダプロデュスタット週3回投与(n=270)または従来のエポエチン(n=137)に2対1でランダム化し、52週間投与しました。投与アルゴリズムは、ヘモグロビンを10~11g/dLに維持することを目的としていました。主要評価項目は、ベースラインから評価期間(28~52週目)の平均値までのヘモグロビンの変化量でした。主要な副次的エンドポイントは、月平均の鉄剤投与量、その他の副次的エンドポイントは、血圧とヘモグロビンの変動でした。

試験結果から明らかになったことは?

週3回のダプロデュスタット群エポエチン群モデル調整済み平均治療差
Hb値(SD)10.45(0.55)g/dL10.51(0.85)g/dL-0.05
(95%信頼区間 -0.21 ~ 0.10

週3回のダプロデュスタットは、ヘモグロビンの平均変化量においてエポエチンに対して非劣性でした(モデル調整済み平均治療差(ダプロデュスタット-エポエチン):-0.05、95%信頼区間 -0.21 ~ 0.10)。評価期間中の平均(SD)ヘモグロビン値は、ダプロデュスタット群およびエポエチン群でそれぞれ10.45(0.55)g/dLおよび10.51(0.85)g/dLでした。

治療反応者(評価期間中の平均ヘモグロビン値が解析範囲である10~11.5g/dLと定義)は、ダプロデュスタット群80%、エポエチン群64%でした。評価期間中にヘモグロビン値が10g/dL未満または11.5g/dLを超えた参加者は、エポエチン群に比べダプロデュスタット群で割合的に圧倒的に少ないことが示されました。

月平均の鉄剤静脈内投与量は、ダプロデュスタットとエポエチンの間で有意な差はありませんでした。血圧に対する効果は両群間で同様でした。

治療上問題となる有害事象の発生率は、ダプロデュスタット(75%)とエポエチン(79%)で同程度でした。

コメント

血液透析患者において、血液透析は週3回実施することが一般的です。腎性貧血に対する治療薬として低酸素誘導因子プロリル水酸化酵素阻害薬(HIF-PHI)が使用されますが、多くの薬剤で毎日投与する必要があります。血液透析日に合わせて、週3回の投与で貧血治療に対する効果が得られれば、患者負担の軽減となります。

さて、本試験結果によれば、ダプロダスタットの週3回投与は、ヘモグロビン反応においてエポエチンと比較して非劣性であり、一般的に良好な忍容性を有していました。日本において、ダプロデュスタットは腎性貧血に対して1日1回投与が求められますが、本試験結果を踏まえると週3回投与でも有効なのかもしれません。

ちなみにダプロデュスタットの半減期は、食事に影響されず約3時間であり、理論上、定常状態には達しません。

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✅まとめ✅ ダプロダスタットの週3回投与は、ヘモグロビン反応においてエポエチンと比較して非劣性であり、一般的に良好な忍容性を有していた。

根拠となった試験の抄録

背景と目的:ダプロデュスタットは、CKDの貧血治療薬として検討されている低酸素誘導因子プロリル水酸化酵素阻害薬(HIF-PHI)である。この非劣性試験では、先行する赤血球造血刺激因子製剤(ESA)から切り替えた血液透析患者において、ダプロデュスタットを週3回投与した場合とエポエチンアルファ(エポエチン)を比較した。

試験デザイン、設定、参加者および測定:ベースラインのヘモグロビン値が8~11.5g/dLでESAが投与されている血液透析患者を、ダプロデュスタット週3回投与(n=270)または従来のエポエチン(n=137)に2対1でランダム化し、52週間投与した。投与アルゴリズムは、ヘモグロビンを10~11g/dLに維持することを目的とした。
主要評価項目は、ベースラインから評価期間(28~52週目)の平均値までのヘモグロビンの変化量とした。主要な副次的エンドポイントは、月平均の鉄剤投与量とした。その他の副次的エンドポイントは、血圧とヘモグロビンの変動であった。

結果:週3回のダプロデュスタットは、ヘモグロビンの平均変化量においてエポエチンに対して非劣性であった(モデル調整済み平均治療差(ダプロデュスタット-エポエチン):-0.05、95%信頼区間 -0.21 ~ 0.10)。評価期間中の平均(SD)ヘモグロビン値は、ダプロデュスタット群およびエポエチン群でそれぞれ10.45(0.55)g/dLおよび10.51(0.85)g/dLであった。治療反応者(評価期間中の平均ヘモグロビン値が解析範囲である10~11.5g/dLと定義)は、ダプロデュスタット群80%、エポエチン群64%だった。評価期間中にヘモグロビン値が10g/dL未満または11.5g/dLを超えた参加者は、エポエチン群に比べダプロデュスタット群で割合的に少なかった。月平均の鉄剤静脈内投与量は、ダプロデュスタットとエポエチンの間で有意な差はなかった。BP に対する効果は両群間で同様であった。治療上問題となる有害事象の発生率は、ダプロデュスタット(75%)とエポエチン(79%)で同程度であった。

結論:ダプロデュスタットは、ヘモグロビン反応においてエポエチンと比較して非劣性であり、一般的に良好な忍容性を有していた。

臨床試験登録名と登録番号:慢性腎臓病における貧血の研究、Erythropoiesis via a Novel Prolyl Hydroxylase Inhibitor Daprodustat-Three Times Weekly Dosing in Dialysis (ASCEND-TD), NCT03400033.

キーワード:貧血、血圧、慢性腎臓病、臨床試験、エポエチン、エリスロポエチン、血液透析、ヘモグロビン、低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤(HIF-PHI)、ランダム化比較試験

引用文献

Three Times Weekly Dosing of Daprodustat versus Conventional Epoetin for Treatment of Anemia in Hemodialysis Patients: ASCEND-TD: A Phase 3 Randomized, Double-Blind, Noninferiority Trial
Daniel W Coyne et al. PMID: 35918106 DOI: 10.2215/CJN.00550122
Clin J Am Soc Nephrol. 2022 Aug 2;CJN.00550122. doi: 10.2215/CJN.00550122. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35918106/

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