慢性腎臓病患者におけるダパグリフロジン使用は死亡率を減らせますか?(RCTの事前設定解析; DAPA-CKD; Eur Heart J. 2021)

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慢性腎臓病(CKD)患者に対するだパグリフロジンの効果はどのくらいか?

SGLT-2阻害薬は1型・2型糖尿病だけでなく、心不全(HF)患者への有効性が示されています。また糖尿病の有無に関わらず慢性腎臓病(CKD)患者に対しても有効である可能性が報告されています。

そこで今回は、DAPA-CKD試験の参加者のうち、CKD患者の死亡リスクに対するダパグリフロジンの効果を検証した試験結果をご紹介します。

試験結果から明らかになったことは?

ダパグリフロジン10mg/日(n=2,152)またはプラセボ(n=2,152)にランダム割り付けされたDAPA-CKD試験の患者背景は、平均年齢 62歳、女性 33%、平均eGFR 43.1mL/min/1.73m2、UACRの中央値 949mg/gでした。

観察期間中に247例(5.7%)が死亡し、そのうち91例(36.8%)が心血管疾患、102例(41.3%)が非心血管疾患、54例(21.9%)が死因不明でした。

ダパグリフロジンによる全死亡の相対リスクの低下は、事前に指定したサブグループ間で一貫していました

☆相対リスク減少 31%、ハザード比 0.69、95%CI 0.53〜0.88、P=0.003

全死亡に対する効果は、主に非心血管疾患による死亡の相対リスクが46%減少したことによるものでした。
非心血管系死亡の原因としては、感染症と悪性腫瘍による死亡が最も多く、ダパグリフロジンはプラセボに比べ、発生率の減少が認められました。

コメント

SGLT-2阻害薬による死亡リスク低下は、CKD患者においても認められる可能性が示されました。ただし、本試験は事前設定解析とはいえ因果関係までは述べられません。ある程度、結果を割り引いて捉えておいた方が良いと考えます。

また、DAPA-CKD試験(CKD±糖尿病)の解析結果では、ダパグリフロジンによる心血管死亡の低下は減少傾向でした。糖尿病を有さないCKD患者を対象としたSGLT-2阻害薬の効果を検証する追加の臨床試験実施が求められます。

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✅まとめ✅ CKD患者において、ダパグリフロジンは、ベースラインの患者特性にかかわらず、生存期間を延長するかもしれない

根拠となった論文の抄録

目的 : 慢性腎臓病(CKD)による死亡率は過去10年間で増加している。今回のDAPA-CKD試験の事前解析では、心血管疾患および非心血管疾患の死因に対するダパグリフロジンの効果を明らかにした。

方法:DAPA-CKD試験は、国際的なランダム化プラセボ対照試験であり、追跡期間は中央値で2.4年であった。対象者は、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)が200~5,000mg/g、推定糸球体濾過量(eGFR)が25~75mL/min/1.73m2と定義されたCKDの成人患者であった。
全死亡は重要な副次的評価項目であった。心血管疾患および非心血管疾患による死亡は、独立した臨床イベント委員会によって判定された。

結果:DAPA-CKD試験では、参加者はダパグリフロジン10mg/日(n=2,152)またはプラセボ(n=2,152)にランダム割り付けされた。平均年齢は62歳、女性は33%、平均eGFRは43.1mL/min/1.73m2、UACRの中央値は949mg/gであった。
観察期間中に247例(5.7%)が死亡し、そのうち91例(36.8%)が心血管疾患、102例(41.3%)が非心血管疾患、54例(21.9%)が死因不明であった。ダパグリフロジンによる全死亡の相対リスクの低下(31%、ハザード比[HR]0.69、95%信頼区間(CI)0.53〜0.88、P=0.003)は、事前に指定したサブグループ間で一貫していた。
全死亡に対する効果は、主に非心血管疾患による死亡の相対リスクが46%減少したことによる。非心血管系死亡の原因としては、感染症と悪性腫瘍による死亡が最も多く、ダパグリフロジンはプラセボに比べて減少した。

結論:CKD患者において、ダパグリフロジンは、ベースラインの患者特性にかかわらず、生存期間を延長した。その効果は主に非心血管系死亡の減少によるものであった。

引用文献

Effects of dapagliflozin on mortality in patients with chronic kidney disease: a pre-specified analysis from the DAPA-CKD randomized controlled trial – PubMed
Hiddo J L Heerspink et al. PMID: 33792669 DOI: 10.1093/eurheartj/ehab094
Eur Heart J. 2021 Mar 31;42(13):1216-1227. doi: 10.1093/eurheartj/ehab094.
— 続きを読む pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33792669/

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