ブルーライトカット眼鏡は長時間のスクリーン使用による眼精疲労を軽減できますか?(RCT; Am J Ophthalmol. 2021)

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ブルーライトカット眼鏡の効果はどのくらいなのか?

IT社会において、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの使用は避けられません。これらのIT機器の使用頻度の増加、ブルーライトへの暴露が増加することで眼関連障害のリスク増加が懸念されています。そのため、ブルーライトカット眼鏡を使用することで、眼精疲労等の眼関連障害リスクを軽減できる可能性について期待がもたれています。しかし、ブルーライトカット眼鏡による眼精疲労の軽減効果については充分に検討されていません。

そこで今回は、パソコン使用に伴う眼精疲労の症状を軽減するために、ブルーライトカット眼鏡が有効かどうかを調査したランダム化比較試験の結果をご紹介します。

試験結果から明らかになったことは?

症状のあるコンピュータ使用者 120例を対象としたランダム化比較試験の結果によれば、眼精疲労の客観的指標について、支持タイプ(肯定的または否定的、p=0.164)および眼鏡の介入タイプ(ブルーライトカットまたは透明レンズ、p=0.304)に有意な効果は認められませんでした。

同様に、眼精疲労症状スコアについても、支持タイプ(p=0.410)および眼鏡レンズのタイプ(p=0.394)による差は認められませんでした。

有害事象は記録されませんでした。

コメント

ブルーライトカット眼鏡は、明確な根拠なく使用されてきた背景があります。今回のランダム化比較試験の結果によれば、ブルーライトカット眼鏡による眼精疲労の軽減効果はなさそうです。

眼精疲労等の主観的な評価には、バイアスが入り込みやすく、ブルーライトカット眼鏡の効果を支持するか支持しないかにより試験結果に影響を与えます。本試験の特徴は、この信条のような想いに基づき、まずランダム化を行っている点です。さらに評価項目には、主観的な評価項目(眼精疲労症状スコア)だけでなく、客観的な指標(臨界フリッカー融合周波数)も設定しています。

従って、本試験の結果はある程度信頼できると考えられます。少なくとも現時点においては、ブルーライトカット眼鏡は、眼精疲労を軽減しないようです。

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✅まとめ✅ ブルーライトカット眼鏡は、標準的な眼鏡と比較して、コンピュータ使用時の眼精疲労の兆候や症状を変化させなかった。

根拠となった論文の抄録

目的:パソコン使用に伴う眼精疲労の症状を軽減するために、ブルーライトカット眼鏡が有効かどうかを調査する。

試験デザイン:二重盲検法によるランダム化対照試験。

方法:症状のあるコンピュータ使用者 120例を、「肯定的」または「否定的」な支持群(すなわち、臨床医が事前に録画したビデオを介して介入を支持するか、支持しないか)にランダム割り付けされた(1:1)。参加者はさらに、透明レンズの眼鏡(プラセボ)またはブルーライトカットレンズの眼鏡、いずれかを受け取るよう、1対1の割合でサブランダムに割り振られた。
参加者は全員、積極的な介入を受けたと思わされた。参加者は、指定された眼鏡をかけて2時間のコンピューター作業を行った。
事前に設定された主要評価項目は、眼精疲労症状スコア臨界フリッカー融合周波数*(CFF、眼精疲労の客観的指標)の平均変化量(コンピュータタスクの後-前)でした。また、臨床医が介入を肯定的または否定的に支持することが、臨床結果に影響を与えるかどうかについても調査した。
*点滅する光の頻度を次第に高めていくと、約30から40Hzであたかも連続光のように見える。このようにちらつきを感じずに連続光に見え始める頻度、周波数のこと。

結果:参加者全員が研究を完了した。一次解析では、眼精疲労の客観的指標については、支持タイプ(肯定的または否定的、p=0.164)および眼鏡の介入タイプ(ブルーライトカットまたは透明レンズ、p=0.304)に有意な効果は認められなかった。
同様に、眼精疲労症状スコアについても、支持タイプ(p=0.410)および眼鏡レンズのタイプ(p=0.394)による差は認められなかった。また、有害事象は記録されなかった。

結論:ブルーライトカット眼鏡は、標準的な眼鏡と比較して、コンピュータ使用時の眼精疲労の兆候や症状を変化させなかった。臨床家の支持タイプは、臨床結果に関係しなかった。

引用文献

Do blue-blocking lenses reduce eye strain from extended screen time? A double-masked, randomized controlled trial
Sumeer Singh et al. PMID: 33587901DOI: 10.1016/j.ajo.2021.02.010
Am J Ophthalmol. 2021 Feb 12;S0002-9394(21)00072-6. doi: 10.1016/j.ajo.2021.02.010. Online ahead of print.
— 続きを読む pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33587901/

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