メリット・ベネフィット・アドバンテージ・プロフィットの違いは?
背景
医学論文を読んでいると、医薬品使用による利点に関する文脈において、メリット(merit)、ベネフィット(benefit)、アドバンテージ(advantage)という単語をよく見かけます。日本語に翻訳するときによく迷うので今回、各単語の意味を整理してみました。
また、似た意味を有する言葉としてプロフィット(profit)があります。こちらについても調べてみました。
各単語の意味
メリット(merit)の意味は?
以下、デジタル大辞泉より引用;
例えば、ある降圧薬Aという薬があったとき、血圧が下がることがメリットにあたります。
ベネフィット(benefit)の意味は?
以下、デジタル大辞泉より引用;
- 利益。恩恵。また、慈善事業。「ベネフィットコンサート」
先ほどの降圧薬Aにより降圧を維持することで、脳卒中のリスクを低下できるとします。この降圧によりもたらされるベネフィットが脳卒中リスクの低下です。
アドバンテージ(advantage)の意味とは?
以下、デジタル大辞泉より引用;
- 《有利・優越の意》
- テニス・卓球で、ジュースのあと1ポイントをリードすること。バンテージ。
- ラグビー・サッカーなどで、反則行為があっても、罰することで反則を犯した側がかえって有利になると主審が認めた場合、プレーを続行させること。
降圧薬Aにより血圧が下がる、降圧により脳卒中リスクが低下することは、いずれも “何か” と比較して得られるものです。つまり、プラセボあるいは未治療と比較して、降圧薬Aを使用することのアドバンテージが降圧と脳卒中リスク低下にあたります。治療した方が “有利” ということになります。
プロフィット(profit)の意味とは?
以下、デジタル大辞泉より引用;
言葉の通り、金銭的な利益です。
降圧薬Aを販売して替わりに得た利益がプロフィットとなります。
まとめ
今回、利点と訳される英単語の使い分けについて調べてみました。
メリット(merit)は価値、ベネフィット(benefit)は恩恵、アドバンテージ(advantage)は有利、プロフィット(profit)は(金銭的な)利益と日本語訳することで、各単語の意味を捉えやすくなると考えます。
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