第二世代薬剤溶出ステントを用いたPCI後のDAPT期間は、6ヶ月と24ヶ月どちらが良さそうですか?(Open-RCT; ITALIC trial; JACC 2017)

6- Versus 24-Month Dual Antiplatelet Therapy After Implantation of Drug-Eluting Stents in Patients Nonresistant to Aspirin: Final Results of the ITALIC Trial (Is There a Life for DES After Discontinuation of Clopidogrel)

Romain Didier et al.

JACC Cardiovasc Interv. 2017 Jun 26;10(12):1202-1210. doi: 10.1016/j.jcin.2017.03.049.

PMID: 28641840

DOI: 10.1016/j.jcin.2017.03.049

Keywords: drug-eluting stent(s); dual antiplatelet therapy; percutaneous coronary intervention.

目的

本研究の目的は、アスピリン感受性患者において、6ヶ月間の二重抗血小板療法(DAPT)が24ヶ月間のDAPTよりも非劣性であるという仮説を検証することであった。

背景

ITALIC(Is There a Life for DES for the Life after Discontinuation of Clopidogrel)試験では、第二世代薬剤溶出ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション後に6ヵ月間と12ヵ月間のDAPTを行った場合、1年後の出血および血栓イベントの発生率はほぼ同じであった。本報告では、2年後の追跡調査について報告する。

方法

多施設ランダム化試験において、薬剤溶出性ステント留置術を受けたアスピリンに対する非抵抗性が確認された患者を、6ヵ月または24ヵ月のDAPTに割り付けた。

一次エンドポイントは、冠動脈インターベンション後12ヵ月間の死亡、心筋梗塞、緊急標的血管再灌流、脳卒中、大出血を複合したものであった。

副次的エンドポイントは24ヵ月後の同一複合エンドポイントと各構成要素から構成された。

結果

・全体では、70施設から患者2,031例がスクリーニングされ、926例が6ヵ月間、924例が24ヵ月間のDAPTにランダム割り付けられた。6ヵ月 vs. 12ヵ月のDAPTでは非劣性が示され、絶対的なリスク差は0.11%(95%信頼区間:-1.04%~1.26%;p=0.0002)であった。

・2年後の複合エンドポイントは6ヵ月間で3.5%、24ヵ月間で3.7%と変化はなく(p=0.79)、心筋梗塞(1.3% vs. 1.0%、p=0.51)、脳卒中(0.6% vs. 0.8%、p=0.77)、標的血管再灌流(1.0% vs. 0.3%、p=0.09)の発生率も同様であった。

・DAPTが長いほど死亡率が高くなる傾向があった(2.2% vs. 1.2%;p=0.11)。

・大出血は24ヵ月群で4例(0.4%)、6ヵ月群では0例であった。

結論

ITALIC試験の2年後の結果は1年後の結果を確認し、第二世代薬剤溶出ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション後に6ヶ月間DAPTを受けた患者は、24ヶ月間DAPTを受けた患者と同様の結果が得られることが示された。

コメント

以前からPCI後のDAPT実施期間については議論が分かれています。診療ガイドラインでも定まっておらず、少なくとも1年間はDAPTを実施するよう記載されているものが多いと考えます。しかし、DAPTは出血リスクが増加する可能性があることから、PCI対象患者におけるリスクとベネフィットを鑑み、DAPTの治療期間を設定することが肝要であると考えます。

さて、本試験で対象となった患者は、左主冠動脈のPCIを除く全てのPCI、ST上昇型心筋梗塞の一次PCIを対象とし、XIENCE V DESを1本以上植え込んだ場合でした。除外基準は次の通り:

  1. 前年にDESを植え込んだことのある患者
  2. 血小板数が100,000/mL以下の患者
  3. 出血性疾患
  4. 入院中の抗凝固療法またはabciximab治療、アスピリン、クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロルが禁忌
  5. 6週間以内に大手術を受けた患者
  6. 活動性のある消化管出血や原発性出血がある患者
  7. 重度の肝不全の患者
  8. 登録後1年間に手術を予定している患者
  9. 平均余命が2年未満の重度の併存疾患の患

またアスピリンに感受性のない患者(137例)はランダム化前に除外されています。

試験結果によれば、PCI後のDAPT期間が6ヵ月の場合、24ヵ月と比較して、複合エンドポイント(PCI後12ヵ月目の死亡、心筋梗塞、緊急標的血管再灌流、脳卒中、大出血)は非劣性でした。

各構成要素の結果は以下の通り;

  • PCI後12ヵ月間の死亡:DAPT 6ヵ月 1.2% vs. 24ヵ月 2.2%
  • 心筋梗塞      :1.3% vs. 1.0%
  • 緊急標的血管再灌流 :1.0% vs. 0.3%
  • 脳卒中       :0.6% vs. 0.8%
  • 大出血       :最小限 0.9% vs. 0.9%、軽度 0.6% vs. 0.6%、大出血 0% vs. 0.4%

あくまでも仮説生成的な結果ですが、PCI後12ヶ月間の死亡、脳卒中、大出血は24ヵ月の方が多かったようです。試験デザインとしては、オープンラベルであることが気にかかります。

本試験結果のみでは結論まで述べられませんが、これまでの試験結果を考慮すると、1年を超えるDAPTは、1年未満のDAPTと比較して、出血リスクが多いことは疑いようがありません。心血管イベントに差がないのであれば、DAPT期間を短くしても良いのかもしれません。

✅まとめ✅ 第二世代薬剤溶出ステントを用いたPCI後のDAPT 6ヶ月は、24ヶ月に非劣性であった

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