Effects of metformin versus glipizide on cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes and coronary artery disease
Jie Hong et al.
Diabetes Care. 2013 May;36(5):1304-11. doi: 10.2337/dc12-0719. Epub 2012 Dec 10.
PMID: 23230096
PMCID: PMC3631843
DOI: 10.2337/dc12-0719
Trial registration: ClinicalTrials.gov NCT00513630.
目的
抗糖尿病薬であるスルホニル尿素薬とメトホルミンの2つの主要クラスは、糖尿病患者の大血管合併症と死亡率に異なる影響を及ぼす可能性がある。
冠動脈疾患(CAD)の既往歴のある2型糖尿病患者の主要心血管イベントに対するグリピジドとメトホルミンの長期効果を比較した。
研究デザインと方法
本研究は多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験である。
CADを有する2型糖尿病患者、平均年齢 63.3歳(範囲 36~80歳)の合計304例が登録された。参加者は、グリピジド(30mg/日)またはメトホルミン(1.5g/日)のいずれかの投与を3年間受けるようランダム割り付けされた。
主要エンドポイントは、心血管系の原因による死亡、何らかの原因による死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、または動脈血行再建術を含む心血管系イベント再発の複合までの時間であった。
結果
・試験薬投与終了時に、両群ともに糖化ヘモグロビン値の有意な低下を達成した(グリピジド群 7.1%、メトホルミン群 7.0%)。
・追跡期間中央値5.0年の時点で、参加者91例が主要エンドポイント 103件を発症していた。
・Intention-to-treat解析の結果、メトホルミン投与群の心血管イベント複合体の調整後ハザード比(HR)は、グリピジド投与群と比較して0.54(95%CI 0.30〜0.90;P=0.026)であった。
・副次的エンドポイントおよび有害事象については、両群間で有意差は認められなかった。
結論
メトホルミンを3年間投与することで、グリピジド群と比較して追跡期間中央値5.0年で主要心血管系イベントが大幅に減少した。
我々の結果は、高リスク患者の心血管系アウトカムに対するメトホルミン治療の潜在的な有用性を示唆している。
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