COVID-19入院患者の死亡リスクに対する人種差の影響はどのくらいですか?(米国コホート研究; JAMA Netw Open. 2020)

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Association of Race With Mortality Among Patients Hospitalized With Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) at 92 US Hospitals

Baligh R Yehia et al.

JAMA Netw Open. 2020 Aug 3;3(8):e2018039. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2020.18039.

PMID: 32809033

DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2020.18039

試験の重要性

現在の報告では、米国コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の症例および死亡者の不均衡なシェアが黒人住民の間にあることが示唆されているが、人種が院内死亡率とどのように関連しているかについては、ほとんど情報がない。

目的

COVID-19患者の全死因、院内死亡率に対する人種の関連を、社会人口統計学的および臨床的因子を調整して評価すること。

試験デザイン、設定、および参加者

このコホート研究は、12州の病院92施設において、2020年2月19日から2020年5月31日までの間に重症急性呼吸器コロナウイルス2(SARS-CoV-2)が確認され入院した成人患者11例(年齢≧18歳)を対象とした。

対象となった病院92施設の州の内訳は以下の通り;

アラバマ州(6病院)、メリーランド州(1病院)、フロリダ州(5病院)、イリノイ州(8病院)、インディアナ州(14病院)、カンザス州(4病院)、ミシガン州(13病院)、ニューヨーク州(2病院)、オクラホマ州(6病院)、テネシー州(4病院)、テキサス州(11病院)、ウィスコンシン州(18病院)

曝露

鼻咽頭サンプルのポリメラーゼ連鎖反応検査の陽性結果によるSARS-CoV-2感染を確認。

主要アウトカムおよび測定法

入院中の死亡を全体および人種別に検討した。

人種は自己申告で、黒人、白人、その他または欠落として分類した。混合効果を用いたCox比例ハザード回帰を用いて、アウトカムに対する病院のランダム効果を考慮しつつ、全原因による院内死亡率と患者の特徴との関連を評価した。

結果

・病院に来院したCOVID-19が確認された患者11,210例のうち、4,180例(37.3%)が黒人患者で、5,583例(49.8%)が男性であった。

・年齢中央値(四分位間距離)は61歳(46~74歳)であった。

・白人患者と比較して、黒人患者は若く(年齢の[四分位間範囲]中央値 66[50~80]歳 vs. 61[46~72]歳)、女性である可能性が高く(2,259例[49.0%] vs. 2,293例[54.9%])、メディケイド保険に加入している可能性が高く(611例[13.3%] vs. 1,031例[24.3%])、男性である可能性が高い(11例[13.3%] vs. 1,031例[24.7%])、近隣の貧困指数Neighborhood Deprivation Index(-0.11 [-0.70~0.56] vs. 0.82 [0.08~1.76])およびElixhauser併存疾患スコア(21 [0~44] vs. 22 [0~46])のスコアの中央値(四分位間の範囲)が高かった。

・入院中の白人患者と黒人患者の全原因による院内死亡率は、それぞれ23.1%(3,218例中724例)と19.2%(2,812例中540例)であった。

・年齢、性別、保険、併存疾患、近隣剥奪、ケアの部位を調整した後、黒人患者と白人患者の死亡リスクに統計学的に有意な差は認められなかった(ハザード比 0.93、95%CI 0.80~1.09)。

結論と関連性

現在の報告では、米国では黒人患者がCOVID-19感染と死亡の不均衡な割合を占めていることが示唆されているが、本研究では、社会人口統計学的因子と併存疾患を調整した後、病院でのケアを受けられる患者の死亡率は黒人患者と白人患者の間で差がなかった。

✅まとめ✅ 米国の病院92施設では、COVID-19入院死亡リスクは、黒人と白人で差がなかった

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