Drug treatments for covid-19: living systematic review and network meta-analysis
Reed Ac Siemieniuk et al.
BMJ. 2020 Jul 30;370:m2980. doi: 10.1136/bmj.m2980.
PMID: 32732190
PMCID: PMC7390912
DOI: 10.1136/bmj.m2980
Systematic review registration: This review was not registered. The protocol is included as a supplement.
目的
コロナウイルス疾患2019(covid-19)に対する治療薬の効果を比較する。
試験デザイン
リビング(living)システマティックレビューおよびネットワークメタアナリシス。
データソース
米国疾病対策センター(US Centers for Disease Control and Prevention)のCOVID-19研究論文ダウンロード可能データベース(2020年7月20日までの電子データベース25件と追加の中国語データベース6件を含む)。
研究の選択
COVID-19が疑われる、または確認された患者が、薬物治療、標準治療またはプラセボにランダムに割り付けられたランダム化臨床試験。
2人1組の査読者が独立して、適格と思われる論文のスクリーニングを行った。
方法
重複データを抽出した後、ベイジアンランダム効果ネットワークメタアナリシスを実施した。
含まれた研究のバイアスリスクは修正Cochrane risk of bias 2.0 toolを用いて評価し、エビデンスの確実性はGRADE(grading of recommendations assessment, development and evaluation)アプローチを用いて評価した。
各アウトカムについて、介入はGRADEガイダンスに従って、最も有益なものから最も有害なものまでのグループに分類された。
結果
・2020年6月26日に実施された解析には、ランダム化比較試験23件が含まれていた。バイアスリスク(盲検化の欠如)と深刻な不正確性のため、ほとんどの比較試験のエビデンスの確実性は非常に低かった。
・グルココルチコイドは、標準ケアと比較して、死亡や機械的換気を減少させるエビデンスを有する唯一の介入であった。
★ vs. 標準ケア:死亡のリスク差 =患者1,000例当たり37人減、95%信頼区間63例減~11例減(中程度の確実性)
★ vs. 標準ケア:機械的換気のリスク差 =患者1,000例当たり31例減、47例減~9例減(中程度の確実性)
・これらの推定値は直接の証拠に基づいている;標準ケアと比較したグルココルチコイドのネットワーク推定値は、ネットワークの不均一性のため、より正確ではなかった。
・ヒドロキシクロロキン(平均差 -4.5日、低い確実性)、レムデシビル(-2.6日、中等度の確実性)、ロピナビル・リトナビル(-1.2日、低い確実性)の3つの薬剤が標準ケアと比較して症状の持続時間を短縮する可能性があった
・ヒドロキシクロロキンは他の介入と比較して有害事象のリスクを増加させる可能性があり、レムデシビルはおそらく薬剤の中止につながる有害事象リスクを実質的に増加させない。
・他の介入では、薬の中止につながる有害事象を有意義に解釈するのに十分な患者が含まれていなかった。
結論
グルココルチコイドは、標準ケアと比較してCOVID-19患者の死亡率と機械的換気をおそらく減少させる。これまでに実施されたランダム化比較試験のほとんどが小規模であり、研究上の重要な制限があるため、ほとんどの介入の有効性は不確実である。
追加情報
BMJのWebサイト(https://www.bmj.com/content/370/bmj.m2980.long)では、死亡や機械換気などのアウトカム毎に各薬剤の効果を確認することができます。
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