2型糖尿病患者の心血管アウトカムに対するGLP-1受容体刺激薬あるいはDPP-4阻害薬は、どちらが優れていますか?(イタリア後向きコホート研究; Cardiovasc Diabetol. 2020)

Better Cardiovascular Outcomes of Type 2 Diabetic Patients Treated With GLP-1 Receptor Agonists Versus DPP-4 Inhibitors in Clinical Practice

Enrico Longato et al.

Cardiovasc Diabetol. 2020 Jun 10;19(1):74. doi: 10.1186/s12933-020-01049-w.

PMID: 32522260

PMCID: PMC7288543

DOI: 10.1186/s12933-020-01049-w

Keywords: Drug therapy; Epidemiology; Observational; Registry, outcome.

背景

高リスク患者を対象とした心血管アウトカム試験では、一部のGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が2型糖尿病(T2D)における心血管イベントを予防できることが示されたが、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬(DPP-4i)は予防できないことが示された。

これら2つのクラスの薬剤を直接比較した試験はないため、実際のデータを用いて比較アウトカム分析を行った。

方法

イタリア北東部のデータベースから、2011年から2018年までにGLP-1RAまたはDPP-4iの投与開始者をレトロスペクティブに同定した。

1:1の傾向スコアマッチングにより、バランスのとれた2つのコホートを得た。

主要アウトカムは、3-point 主要有害心血管イベント(3P-MACE;死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合体)とした。

3P-MACEの構成要素と心不全による入院は副次的アウトカムとした。

結果

・T2D患者330,193例から、GLP-1RA開始者2,807例とDPP-4i開始者2,807例のマッチした2つのコホートを抽出し、中央値18ヵ月間追跡した。

・患者の平均年齢は63歳、男性は60%、心血管疾患の既往は15%であった。

・3P-MACEの発生率は、GLP-1RA投与群でDPP-4i投与群と比較して低かった(23.5イベント/1,000人・年 vs. 34.9イベント/1,000人・年)。

★HR =0.67、95%CI 0.53〜0.86、p=0.002

・心筋梗塞(HR =0.67、95%CI 0.50〜0.91;p=0.011)および全死亡(HR =0.58、95%CI 0.35〜0.96;p=0.034)の発生率はGLP-1RA開始者の方が低かった。

・as-treatアプローチとintention-to-treatアプローチでも、同様の結果が得られた。

結論

臨床でGLP-1RAを開始した患者は、DPP-4iを開始した同種の患者よりも心血管系アウトカムが良好であった。

これらのデータは、低リスク集団における心血管アウトカム試験から得られた知見を強く裏付けるものである。

コメント

2型糖尿病患者における心血管アウトカムの発生リスク低下は、医療資源の有効活用において重要な課題の1つです。

さて、本試験結果によれば、GLP-1受容体刺激薬による治療開始は、DPP-4阻害薬の使用開始と比較して、心血管アウトカム(3-point MACE、心筋梗塞)の発生リスクが低下しました。ただし、脳卒中や心不全については差がありませんでした。

あくまでも後向きコホート研究の結果ではありますが、これまでの大規模臨床試験の結果と矛盾しません。

✅まとめ✅ 2型糖尿病患者の心血管アウトカムに対するGLP-1受容体刺激薬の使用開始は、DPP-4阻害薬と比較して、有意なリスク低下を示した

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