痛風患者における尿酸降下療法は入院脳卒中および死亡リスクを低下できますか?(台湾 人口ベース後向き研究; PLoS One. 2020)

Urate-lowering Therapy May Mitigate the Risks of Hospitalized Stroke and Mortality in Patients With Gout

Fu-Shun Yen et al.

PLoS One. 2020 Jun 23;15(6):e0234909. doi: 10.1371/journal.pone.0234909. eCollection 2020.

PMID: 32574194

PMCID: PMC7310696

DOI: 10.1371/journal.pone.0234909

目的

高尿酸血症と心血管疾患との関連性を示す研究はあるが、尿酸値低下療法(ULT)が心血管疾患の発生率に及ぼす影響を検討した研究はほとんどない。

そこで我々は、痛風患者における尿酸降下療法(ULT)使用者と非使用者の間で、入院冠動脈疾患(CAD)、脳卒中、心不全(HF)、全死亡のリスクを比較した。

方法

台湾 人口ベースの国民健康保険研究データベースを用いて、レトロスペクティブコホート研究を実施した。

2000年から2012年までに、合計5,218例の痛風患者が含まれていた。

痛風患者の入院CAD、脳卒中、高血圧症、全死亡の発生率(IR)をULT使用者と非使用者の間で比較した。

結果

・年齢、性別、居住地、併存疾患、薬剤を調整した後の脳卒中入院の発生率は、ULT使用者と非使用者でそれぞれ100人・年あたり0.6例と1.0例であった。

・ULT使用者は非使用者に比べて、脳卒中の入院(aHR=0.52、p<0.001)および全死亡(aHR=0.6、p=0.02)の調整後ハザード比(aHR)が低かった。

・サブグループ解析の結果、尿酸排泄(促進)薬とキサンチンオキシダーゼ阻害薬は、それぞれ入院脳卒中リスクと全死亡リスクの低下と有意に関連していた。

・入院脳卒中リスクの低下に対する尿酸排泄(促進)系薬剤の効果は、用量反応関係を示していた。

結論

本研究では、痛風患者において、ULT使用者の方が非使用者よりも入院脳卒中リスクと全死亡リスクが低いことが示された。したがって、痛風患者は、入院中の脳卒中と死亡率のリスクを軽減するためにULTを投与される可能性がある。

コメント

痛風および死亡リスクとの関連性については以前から報告されていますが、決定的なエビデンスはありません。

さて、本試験結果によれば、痛風患者における尿酸降下薬使用は、非使用と比較して、入院中の脳卒中および死亡リスクを低下させました。あくまでも仮説生成的な結果ですが、痛風患者においては尿酸値を低下させた方が良いのかもしれません。

ただし、日本で行われているように、高尿酸血症のみで治療する意義は依然として不明です。尿酸は、抗酸化作用を有していることから、生体内での有効性(抗酸化作用による細胞保護:in vitro)について論じられることが多く、尿酸が高いだけであれば害はないのかもしれません。この部分は依然として議論の分かれるところではありますが、議論されているのは、やはり日本だけであるように思います。

引き続き関連する研究報告を追っていきたいです。

✅まとめ✅ 痛風患者における尿酸降下薬の使用は入院中の脳卒中および死亡リスクを低下させるかもしれない

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