Efficacy and safety of interferon β-1a in treatment of severe COVID-19: A randomized clinical trial
Effat Davoudi-Monfared et al.
Antimicrob Agents Chemother. 2020 Jul 13;AAC.01061-20. doi: 10.1128/AAC.01061-20. Online ahead of print.
目的
我々の知る限りでは,重症COVID-19の治療におけるIFN β-1aの使用に関する研究は発表されていない。このランダム化臨床試験では,重症COVID-19患者を対象にIFN β-1aの有効性と安全性を評価した。
方法
インターフェロン投与群の患者42例に、国内プロトコール薬(ヒドロキシクロロキン+ロピナビル/リトナビルまたはアタザナビル/リトナビル)に加えてIFN β-1aを投与した。
インターフェロンβ-1aをそれぞれ44μg/mL(1,200万IU/mL)ずつ週3回、2週間連続で皮下注射した。
対照群は、国内プロトコールの薬剤のみを投与された39例で構成された。
試験の主要アウトカムは臨床効果が得られるまでの時間であった。副次的転帰は、入院期間、ICU滞在期間、28日間の死亡率、IFNの早期・後期投与が死亡率に及ぼす影響、入院中の副作用および合併症であった。
結果
・2020年2月29日から4月3日までの間に患者92例を募集し、最終的にIFN投与群42例、対照群39例が本試験を終了した。
・主要評価項目である臨床効果発現までの期間は、IFN群と対照群で有意差はなかった(それぞれ9.7±5.8日 vs. 8.3±4.9日、P=0.95)。
・14日目には、IFN群66.7%対対照群43.6%の患者がそれぞれ退院した(OR=2.5、95%CI 1.05~6.37)。
・28 日間の全死亡率は、IFN 群の方が対照群よりも有意に低かった(それぞれ 19% vs. 43.6%、p= 0.015)。
・早期投与は死亡率を有意に低下させた(OR=13.5、95%CI 1.5~118)。
結論
IFNは臨床反応に到達するまでの時間に変化はなかったが、国内プロトコールに追加することで、14日目の退院率が有意に上昇し、28日目の死亡率が減少した。
コメント