血清カリウム値と死亡リスクとの関連性はどのくらいですか?(日本 人口ベース後向きコホート研究; Kidney Int Rep. 2019)

general population-based cohort study 一般人口ベース 一般人口 コホート研究

Hyperkalemia in Real-World Patients Under Continuous Medical Care in Japan

Naoki Kashihara et al.

Kidney Int Rep. 2019 May 30;4(9):1248-1260. doi: 10.1016/j.ekir.2019.05.018. eCollection 2019 Sep.

PMID: 31517144

PMCID: PMC6734103

DOI: 10.1016/j.ekir.2019.05.018

序論

血清カリウム(S-K)値の異常は重要な電解質異常である。しかし、実際の患者の臨床転帰、特に高カリウム血症負荷との関連については、あまり研究されていない。

方法

日本の病院請求データベースを用いた観察的レトロスペクティブコホート研究を行った(2008年4月~2017年9月;N=1,022,087)。

指標S-Kレベルと3年生存率との関連を3次スプライン回帰を用いてモデル化した。Cox回帰モデルを適用して、異なるS-Kレベルに応じた死亡までの時間を推定した。

最初のエピソードから高カリウム血症を発症した患者の有病率、患者の特徴、治療パターン、管理について評価した。

結果

・高カリウム血症の有病率は67%であった。高カリウム血症の有病率は67.9/1,000人(95%信頼区間[CI] 67.1〜68.8)であり、慢性腎臓病(CKD)患者(227.9/1,000人;95%CI 224.3〜231.5)、心不全患者(134.0/1,000人;95%CI 131.2〜136.8)、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害薬(RAASi)使用患者(142.2/1,000人;95%CI 139.6〜144.7)で増加していた。

・S-K値と3年生存率との間には、4.0mEq/lを最低値としてU字型の関連が認められた。死亡リスクはS-K 5.1~5.4 mEqで上昇し、ハザード比は7.6(95%CI 7.2~8.0)であった。S-K 6.0 mEq/lでの推定3年死亡率は17.7%(95%CI:16.9~18.5)であった。

Figure 2(本文より引用)

・高カリウム血症の患者では、S-K 5.1~5.4 mEq/lでハザード比 =7.6(95%CI 7.2~8.0)、S-K 5.5~5.9 mEq/lで10.6(95%CI 9.9~11.4)、S-K 6.0 mEq/lで17.7(95%CI 16.3~19.2)と死亡リスクが高かった。死亡は、最初の高カリウム血症エピソードから3年以内の患者では22.0%(95%CI 21.5%~22.6%)、正常高値カリウム血症患者では1.7%(95%CI 1.6%~1.7%)に発生した。

Table 1(本文より引用)

・2群間のリスク差は20.4%(95%CI 19.9%~20.9%)であった。高カリウム血症サブグループのHF患者では、3年死亡率(32.5%、95%CI 31.4〜33.6%)が高かった。

・CKDステージ3a、3b、4、5の正常カリウム血症患者の3年死亡率は1.51%、3.93%、10.86%、12.09%であったのに対し、CKDステージ3aの軽度(5.1~5.4 mEq/l)、中等度(5.5~5.9 mEq/l)、重度(>6.0 mEq/l)の高カリウム血症はそれぞれ10.31%、11.43%、22.64%に増加した。

Figure 3(本文より引用)

・CKDステージ3a、3b、4、5の正常血症患者の3年死亡率は1.51%、3.93%、10.86%、12.09%であったが、S-K 5.1~5.4、5.5~5.9、6.0mEq/l以上のCKDステージ3a患者では、それぞれ10.31%、11.43%、22.64%に増加した。

Figure 4(本文より引用)

・ループ利尿薬(18.5%)およびカリウム結合剤(5.8%)による治療にもかかわらず、30%以上の患者でS-Kが持続的に高値(≥5.1 mEq/l)であった。

結論

本研究は、様々な医学的背景を持つ多数の患者を対象に、高カリウム血症の実態を明らかにするものである。

コメント

血清カリウム値と死亡リスクとの関連性については、これまでにも多くの報告があり、カリウム値が高くても低くても死亡リスクが増加する可能性が示されています。

さて、今回の研究結果によれば、日本人 約100万人を対象としたコホート研究では、67%が高カリウム血症を有していました。カリウム値と3年生存率との間には、U字型の関連が認められました。

リスクが最も低いのは4.0 mEq/L。また死亡リスクはカリウム値5.1~5.4 mEq/Lで上昇し、ハザード比(HR)は7.6(95%CI 7.2~8.0)、5.5〜5.9 mEq/Lで10.6 mEq/L(9.9〜11.4)、6.0 mEq/Lで17.7(16.3〜19.2)でした。さらに、3.1〜3.5 mEq/LでHR =6.4(6.1〜6.8)、3.0 mEq/L未満でHR =12.7(11.9〜13.6)でした。

これまで報告された研究結果と矛盾はありませんが、やはり、あくまでも相関関係までしか述べられません。

引き続き続報を待ちたいと思います。

✅まとめ✅ 日本人を対象とした後向きコホート研究では、血清カリウム値と3年生存率との間にはU字型の関連があるかもしれない

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