Effects of Geriatric Interdisciplinary Home Rehabilitation on Independence in Activities of Daily Living in Older People With Hip Fracture: A Randomized Controlled Trial
Åsa Karlsson et al.
Arch Phys Med Rehabil. 2020 Apr;101(4):571-578. doi: 10.1016/j.apmr.2019.12.007. Epub 2020 Jan 11.
PMID: 31935353
DOI: 10.1016/j.apmr.2019.12.007
Keywords: Activities of daily living; Geriatrics; Hip fractures; Patient care team; Rehabilitation.
目的
股関節骨折の高齢者に対して、早期退院後に老人学際的在宅リハビリテーションを実施した場合の日常生活動作(ADL)の自立度への影響を、多因子リハビリテーションプログラムに従った非院内老人ケアと比較して評価すること。
試験デザイン
3ヵ月と12ヵ月の追跡調査を行ったランダム化比較試験の計画的解析。
試験設定
老人病棟、一般住宅、住宅介護施設。
試験参加者
対象者としてスクリーニングされた466人のうち、認知機能障害者および住宅療養施設に居住している者を含む70歳以上の急性股関節骨折の参加者(N=205)を、介入群または対照群にランダム割り付けした。
介入群
個別に設計された学際的な在宅リハビリテーションを最大10週間実施した。
介入は早期退院を目指し、転倒予防、日常生活動作の自立、屋内外での歩行能力に焦点を当てた。
主なアウトカム指標
ADLの自立度は、入院中のBarthel ADL IndexとKatz ADL Indexを含むADL Staircaseを用いて測定した。
結果
・ADLパフォーマンスには群間で有意差はなく、個人的および手段的ADLにおける自立度のprefractureレベルは回復していた。
・12ヵ月後の時点で、Barthel ADL Indexによると、介入群の33人(41.3%)と対照群の33人(41.8%、P=0.99)、ADL Staircaseによると、27人(37.0%)と36人(48.6%)のADLパフォーマンスを回復または改善していた(P=0.207)。
結論
股関節骨折の高齢者では、早期退院後に老人学際的な在宅リハビリテーションを行うことで、3ヵ月後と12ヵ月後のADLにおける自立度の回復は、非入院の老人学的ケアおよびリハビリテーションに匹敵する結果となった。
コメント
股関節骨折患者では、しばしばADLが低下し、寝たきり、そしてフレイルやサルコペニアといったロコモーティブシンドロームを併発します。
さて、本研究では、股関節骨折かつ早期退院の高齢患者に対し、老人学際的在宅リハビリテーション(Geriatric Interdisciplinary Home Rehabilitation)を実施しました。その結果、3ヵ月後と12ヵ月後のADLにおける自立度の回復がみられ、これは非入院患者を対象とした老人学的ケアおよびリハビリテーションの効果に匹敵するほどでした。
ここからは仮説生成的な推論ですが、長期入院は前述のADL低下やフレイルリスク、認知機能低下に繋がる可能性が報告されているため、骨折治療の終了後には早期退院からのリハビリ実施が有用かもしれません。
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