急性胃腸炎の小児患者における悪心・嘔吐に対する低用量ドンペリドンの効果はどのくらいですか?(DB-RCT; J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2019)

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Safety and Efficacy of Low-dose Domperidone for Treating Nausea and Vomiting Due to Acute Gastroenteritis in Children

Gerhard Leitz et al.

J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2019 Oct;69(4):425-430. doi: 10.1097/MPG.0000000000002409.

PMID: 31181017

DOI: 10.1097/MPG.0000000000002409

Trial registration: ClinicalTrials.gov NCT02699385.

背景

本試験は、欧州医薬品庁(European Medicines Agency, EMA)からの要請に基づき、低用量・短時間投与の効果を評価することにより、小児における悪心・嘔吐の症状緩和に対するドンペリドンの有効性に関する確固たるデータを作成するために実施したものである。

方法

ランダム化二重盲検第 3 相試験では、6 ヵ月~12 歳の急性胃腸炎の小児を対象に、ドンペリドン 0.25 mg/kg の経口投与と経口補水療法(oral rehydration therapy, ORT)をランダムに(1:1)、またはそれに相当するプラセボを 1 日 3 回、2~7 日間投与した。

初回投与後48時間以内に嘔吐エピソードを認めなかった患者さんの割合(主要評価項目)および4歳以上の患者さんで吐き気エピソードを認めなかった患者さんの割合(主要副次評価項目)を評価した。

結果

・無益性分析の結果、本試験は早期に終了した。

・早期終了時、患者292例がランダムにドンペリドン(n = 147)またはプラセボ(n = 145)を投与された。

・初回治療投与から48時間以内に嘔吐エピソードがなかった患者の割合は、ドンペリドン群(32.0%)とプラセボ群(33.8%)で同程度であった。

・また、4歳以上の患者で初回投与後48時間以内に吐き気を示さなかった患者の割合は、ドンペリドン(35.7%)とプラセボ(38.6%)で有意差は認められなかった。

・合計13例(ドンペリドン:3.4%[5/147例] vs. プラセボ:5.5%[8/145例])が1件以上の治療上の緊急有害事象を報告した。

・死亡や特別に関心の高い有害事象(錐体外路症状およびQT延長)は報告されなかった。

結論

小児急性胃腸炎(AG)患者の嘔吐および吐き気エピソードの軽減において、ORTを併用した低用量のドンペリドンはプラセボと有意差はなく、安全性プロファイルは両群間で類似していた。

コメント

欧州では、2019年、ドンペリドンの適応は12歳以上(かつ体重35kg以上)の患者に変更となりました。今回は、その根拠となった臨床試験の論文です。

さて、試験結果によると、初回治療投与から48時間以内に嘔吐エピソードがなかった患者の割合は、ドンペリドン群で32.0%(95%CI 4.5 〜40.2)、プラセボ群で33.8%(95%CI 26.2〜42.1)でした(P = 0.732)。また、4歳以上の患者で初回投与後48時間以内に吐き気を示さなかった患者の割合は、ドンペリドン群で35.7%(27.4〜44.6)、プラセボで38.6%(30.1〜47.6)でした(P = 0.617)。どちらも有意な差はありませんでした。

どうやら6 ヵ月~12 歳の急性胃腸炎の小児に対するドンペリドンの効果はなさそう。

ただし、早期に終了したため、有効性・安全性を割り引いて考える必要があります。

✅まとめ✅ 6 ヵ月~12 歳の急性胃腸炎の小児に対する経口補水療法(ORT)とドンペリドンの併用は、プラセボの併用と比較して差がなかった

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