Efficacy and Safety of Integrated Traditional Chinese and Western Medicine for Corona Virus Disease 2019 (COVID-19): A Systematic Review and Meta-Analysis
Ming Liu et al.
Pharmacol Res. 2020 May 10;104896. doi: 10.1016/j.phrs.2020.104896.
PMID: 32438037
DOI: 10.1016/j.phrs.2020.104896
Keywords: COVID-19; Efficacy; Integrated Traditional Chinese and Western Medicine; Meta-analysis; Safety.
背景
現在、COVID-19は世界各地に蔓延し、ほぼ全ての国で闘病中である。
本研究は、コロナウイルス病2019(COVID-19)に対する漢方・西洋医学の統合医療(以下、統合医療)の有効性と安全性を評価することを目的とした。
方法
COVID-19に対する統合医療のランダム化比較試験(RCT)と症例対照試験(CCS)を特定するために、主要な中国語と英語の6つのデータベースを検索した。
2人のレビュアーが独立してスクリーニングを行い、研究を同定し、データを抽出した。
採択されたRCTとCCSの質の評価には、それぞれCochrane Risk of BiasツールとNewcastle-Ottawa Scaleを使用した。
ランダム効果モデルを用いたメタアナリシスの実施にはStata(バージョン13.0;StataCorp)を用いた。
効果の大きさは、二分値データにはリスク比(RR)を用い、連続変数には加重平均差(WMD)を採用し、それぞれ効果の大きさと95%信頼区間を示した。
結果
・合計11件の研究が含まれていた。RCTが4件、CCSが7件であった。
・対象とした研究のサンプル数は18~100件(合計982件)であった。
・伝統的な漢方薬には、漢方薬配合剤(清飛頭謝福正芳 QingFei TouXie FuZhengFang)と中国特許薬(秀峰金剛カプセル Shufeng Jiedu Capsule、連華青文顆粒 Lianhua Qingwen granulesなど)が含まれていた。
・対照群と比較して、全奏効率(RR=1.230、95%CI 1.113、1.359、P=0.000)、治癒率(RR=1.604、95%CI 1.181〜2.177、P=0.002)、重症化率(RR=0.350、95%CI 0.154〜0.792、P=0.012)、入院期間(WMD=1.991、95%CI -3.278〜 -0.703、P=0.002)は介入群の方が良好であった。
・また、統合医療は、発熱、咳、痰、疲労、胸の締め付け感、食欲不振の消失率を改善し、患者の発熱、疲労時間を短縮することができた(P<0.05)。
結論
今回のレビューでは、統合医療の方がCOVID-19に対する効果が高く、副作用も少ないことが明らかとなった。今後、より質の高いRCTが必要となるだろう。
コメント
漢方および西洋医学の統合医療と対照群を比較した研究。
結果としては、統合医療の方が、全奏効率、治癒率、重症化率、入院期間のアウトカムにおいて有益であった。
アブストラクトからは、どのような統合医療がより効果的であるのかは不明であり、また患者背景も不明である。さらに、試験に組み入れられた研究は症例対照研究が過半数を超えており、内的妥当性・外的妥当性が低い可能性が高い。
著者も述べている通り、より質の高いRCTが必要であると考える。
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