“Hydroxychloroquine in Patients With COVID-19: A Systematic Review and Meta-Analysis.”
Awadhesh Kumar Singh et al.
Diabetes Metab Syndr. 2020 May 12;14(4):589-596. doi: 10.1016/j.dsx.2020.05.017.
PMID: 32417708
PMCID: PMC7215156
DOI: 10.1016/j.dsx.2020.05.017
Keywords: COVID-19; Death; Hydroxychloroquine; Outcomes; Viral clearance.
背景および目的
COVID-19の治療におけるヒドロキシクロロキン(HCQ)の役割は完全には知られていない。我々は、COVID-19 被験者におけるHCQの効果を対照と比較し、a. 逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)により測定されたウイルスクリアランス、および b. 全死因による死亡について検討した。
方法
PubMed, Scopus, Cochrane, MedRxiv データベースを2020年4月30日までの特定のキーワードで検索した。目的に合致した研究については、各種ツールを用いてバイアスのリスクを評価した。
RT-PCRによるウイルスクリアランスと全死亡のアウトカムを報告した3研究について、ランダム効果モデルを用いて対数リスク比(RR)の逆分散加重平均を適用してメタ解析を行った。異質性および公表バイアスは、それぞれI2統計量およびファンネルプロットを用いて評価した。
結果
・RT-PCRで評価したウイルスクリアランスに関する研究3件(n = 210)のメタ解析では、中程度の不均一性(I2 = 61.7%、p = 0.07)であったが、有益性は認められなかった。
★RR =1.05、95%CI 0.79~1.38;p = 0.74
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・研究3件(n = 474)のメタアナリシスでは、対照と比較してHCQによる死亡の有意な増加が示されたが(RR =2.17、95% 1.32~3.57;p = 0.002)、異質性は認められなかった(I2 = 0.0%、p = 0.43)。
結論
COVID-19患者では、ウイルスクリアランスに関しては有益性は認められなかったが、HCQは対照と比較して死亡率の有意な増加が認められた。
コメント
これまでに報告されたCOVID-19関連の研究のメタ解析。 COVID-19に対するヒドロキシクロロキンの有効性・安全性を評価しています。
さて、試験結果によれば、COVID-19に対するヒドロキシクロロキンの有効性(ウイルスクリアランスの)は、対照群と比較して認められませんでした。過去の報告と矛盾していません。一貫して、COVID-19に対するヒドロキシクロロキンの有効性は認められていません。一方、安全性については、死亡リスクについて検証されており、ヒドロキシクロロキン使用は、対照群と比較して、有意に死亡リスクを増加させました。
COVID-19に対するヒドロキシクロロキン使用は「百害あって一利なし」です。
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