水分摂取量を増やすと尿路感染症の再発を防げますか?(SR&MA; Br J Gen Pract. 2020)

Increased Fluid Intake to Prevent Urinary Tract Infections: Systematic Review and Meta-Analysis

Anna Mae Scott et al.

Br J Gen Pract. 2020 Feb 27;70(692):e200-e207.

doi: 10.3399/bjgp20X708125.

PMID: 31988085

PMCID: PMC6988703 (available on 2021-01-28)

DOI: 10.3399/bjgp20X708125

Keywords: antibacterial agents; drinking; drug resistance, microbial; fluid therapy; systematic review; urinary tract infections

背景

尿路感染症(urinary tract infections, UTI)の治療には、地域で処方された抗生物質のうち約 15%が使用されている。抗生物質の耐性の増加は、代替治療の検討を必要としている。

目的

尿路感染症リスクの高い患者における水分摂取量の増加が尿路感染症の再発(一次転帰)、抗菌薬使用、尿路感染症の症状(二次転帰)に与える影響を評価する。

試験デザインと設定

システマティックレビュー。

方法

PubMed、Cochrane CENTRAL、EMBASE、2つの試験登録を検索し、2019年1月に含まれる研究の前方および後方引用検索を行った。

UTIのリスクがある個人を対象としたランダム化比較試験は含まれたが、抗菌薬との比較は除外した。

主要アウトカムについては、異なるタイムポイント(6ヵ月未満と12ヵ月)で比較した。バイアスリスクはコクラン・リスク・オブ・バイアスツールを用いて評価した。

3件以上の研究が同じ転帰を報告している場合は、メタアナリシスが実施された。

結果

・研究8件が組み入れられ、そのうちの7件がメタアナリシスされた。

・水分摂取量を増加させた群で、12ヵ月後に対照群と比較してUTI再発患者数は統計的に有意ではないが減少した。

★オッズ比[OR] =0.39、95%信頼区間[CI] 0.15~1.03、P = 0.06

一方、タイムポイント6ヵ月以下で有意な減少が認められた。

★OR =0.13、95%CI 0.07~0.25、P<0.001

・水分摂取量が少ない(200ml未満)研究を除外した場合、水分摂取量の増加が有意にUTI再発を抑制した。

★OR =0.25、95%CI 0.11~0.59、P = 0.001

・水分摂取量の増加はすべてのUTI再発率を減少させた。

★率比[RR] =0.46、95%CI 0.40~0.54、P<0.001

・抗菌薬使用量に差はなかった。

★OR =0.52、95%CI 0.25~1.07、P = 0.08

・症状のメタ解析については、データの過多により実施されなかった。

結論

危害の可能性が最小限であることを考えると、再発を繰り返すUTI患者には、再発を減らすために、より多くの水分を摂取するように勧められる可能性がある。

最適な水分摂取増量と種類を確立するためには、さらなる研究が必要である。

コメント

膀胱炎再発の予防について、以前から議論されている水分摂取量。結果としては、200mL以上の水分摂取により全膀胱炎の再発を有意に抑制できたとのこと。ただし、アウトカム評価が6ヵ月以内の場合に限られている。また効果推定値はオッズ比や率比で検証されていることから、追跡期間が大きく影響する可能性が高く、実際のリスク低下がどのくらいであるのか捉えづらい。また抗生物質の使用量については、水分を多く摂取してもしなくても差が認められなかった。しかし有意ではないもののオッズ比0.52と低下傾向。

個々によって水分摂取の増加量をどの程度にするのか?という課題は残りますが、基本的には200mL以上の水分摂取を増やせば、益がありそう。再発を繰り返す膀胱炎患者において、腎機能(および肝機能)が極端に低下していなければ、再発予防のための水分摂取量の増加は有効な手段となり得るかもしれない。

研究結果としては、過去の報告と矛盾しない。

✅まとめ✅ 膀胱炎の再発予防のために200mL以上の水分摂取増加は有効かもしれない

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