心不全患者(HFrEF)における標準治療への新薬Vericiguatの追加効果はどのくらいですか?(DB-RCT; VICTORIA trial; NEJM 2020)

Vericiguat in Patients With Heart Failure and Reduced Ejection Fraction

Paul W Armstrong et al.

N Engl J Med. 2020

PMID: 32222134

DOI: 10.1056/NEJMoa1915928

Funding: Merck Sharp & Dohme [a subsidiary of Merck] and Bayer; VICTORIA

ClinicalTrials.gov number, NCT02861534.

背景

新規経口可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬であるベリシグアト(vericiguat)による、新規の入院患者や静脈内利尿療法を受けていた心不全・駆出率低下患者に対する効果は不明である。

方法

第 三相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、慢性心不全(ニューヨーク心臓協会クラス II、III、または IV)で駆出率が 45%未満の患者 5,050 例を対象に、ガイドラインに基づいた薬物療法に加えて、vericiguat(目標用量 10 mg を 1 日 1 回投与)またはプラセボを投与した。

主要転帰は、心血管系による死亡または心不全による初回入院の複合とした。

結果

・中央値10.8ヵ月間に、一次アウトカムイベントが発生したのは、vericiguat群では897/2,526人(35.5%)、プラセボ群では972/2,524人(38.5%)であった。

★ハザード比 =0.90;95%信頼区間[CI] 0.82~0.98;P=0.02

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・vericiguat群691例(27.4%)、プラセボ群747例(29.6%)が心不全で入院した。

★ハザード比 =0.90;95%信頼区間[CI] 0.81~1.00

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・心血管系の原因による死亡は、vericiguat群で414例(16.4%)、プラセボ群で441例(17.5%)に認められた。

★ハザード比 =0.93;95%CI 0.81~1.06

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・心不全による死亡または入院の複合体は、vericiguat群957例(37.9%)、プラセボ群1,032例(40.9%)に発現した。

★ハザード比 =0.90;95%CI 0.83~0.98;P=0.02

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・症候性低血圧はvericiguat群で9.1%、プラセボ群で7.9%に発生し(P=0.12)、失神はvericiguat群で4.0%、プラセボ群で3.5%に発生した(P=0.30)。

結論

ハイリスク心不全患者において、心血管疾患による死亡または心不全による入院の発生率は、プラセボ群に比べてvericiguat群の方が低かった。

コメント

新規経口可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬、ベリシグアト(vericiguat)。第三相試験の結果が出ましたので読んでみました。

心不全に対する標準治療へのvericiguat追加効果は、プラセボ追加と比べて一次アウトカムの発生が少なかった。内訳をみると心不全による初回入院のアウトカム発生が少ないことに起因しています。心血管死については減少傾向。ただし追跡期間は約10ヵ月ですので、ハードアウトカム発生が少ないことは当然だと考えます。

より長期の試験結果が欲しいところ。また一酸化窒素の産生関連薬については、心血管イベントを増加させる可能性が過去に示されているため、vericiguatの安全性については引き続き追っていくべきだと考えます。

✅まとめ✅ 心不全患者(HFrEF)における標準治療への新薬Vericiguatの追加は、プラセボ追加と比較して一次アウトカムの発生を有意に減少させた

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