SARS、MERSまたはCOVID-19に対する抗レトロウイルス薬の有効性と安全性はどのくらいですか?

Systematic Review of the Efficacy and Safety of Antiretroviral Drugs Against SARS, MERS or COVID-19: Initial Assessment

Nathan Ford et al.

J Int AIDS Soc. 2020 Apr;23(4):e25489.

doi: 10.1002/jia2.25489.

PMID: 32293807

PMCID: PMC7158851

Keywords: COVID-19; HIV; MERS; SARS; antiretroviral therapy; coronavirus.

序論

新たに同定されたコロナウイルス(SARS-CoV-2)に起因する疾患であるCOVID-19の治療には、複数の抗レトロウイルス薬が検討されている。

本研究では、コロナウイルスの予防・治療に抗レトロウイルス薬を使用した場合の臨床成績と予定されている臨床試験について系統的に検討した。

方法

SARS、MERS、またはCOVID-19患者に抗レトロウイルス薬を投与した患者の臨床転帰を報告している研究について、データベース運用開始から2020年3月30日までの間に3つのデータベースをスクリーニングした。

結果

・初期スクリーニングの結果、433件のうち、ランダム化試験2件と観察研究24件が抗レトロウイルス薬の使用に関する臨床転帰データを提供した。

・ほとんどの研究がロピナビル/リトナビル(lopinavir/ritonavir, LPV/r)を治療に用いた転帰を報告していた。治療成績を報告した観察研究21件のうち、SARS患者を対象とした研究は3件、MERS患者を対象とした研究は6件、COVID-19患者を対象とした研究は12件であった。

・あるランダム化試験では、重症COVID-19患者99人がLPV/r(400/100mgを1日2回、14日間)投与群に、100人が標準治療群にランダム割り付けされた。LPV/rは臨床的改善までの時間に統計学的に有意な差は認められなかったが、症状が現れてから12日以内に投与されたLPV/rは臨床的改善までの時間が短縮された。2つ目の試験では有益性は認められなかった。ランダム化試験のエビデンスの確実性は低かった。

・観察研究では、LPV/rを受けた患者361人のうち3人が死亡した(エビデンスの確実性は非常に低かった)。3件の研究では、曝露後の予防としてのLPV/rの保護効果の可能性が報告されている。ここでも、サンプルサイズが限られているために不確実性が高く、エビデンスの確実性は非常に低かった。

結論

利用可能なエビデンスに基づいて、LPV/rや他の抗レトロウイルス薬がCOVID-19感染のリスクが高い患者の臨床転帰を改善するか、感染を予防するかは不明である。

コメント

まだまだ臨床試験の結果が足りないようです。現状では、COVID-19に対する抗レトロウイルス薬の効果は不明。過度に期待しない方が良いですね。続報を待ちたい。

ファビピラビルの情報についても追っていきます。

✅まとめ✅ COVID-19に対するロピナビル/リトナビルを含む抗レトロウイルス薬の効果は不明

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