COVID-19 重症患者におけるレムデシビルの人道的使用の効果はどのくらいでしょうか?(小規模の探索的研究; NEJM 2020)

Compassionate Use of Remdesivir for Patients with Severe Covid-19

Jonathan Grein et al.

NEJM April 10, 2020

DOI: 10.1056/NEJMoa2007016

PMID:未

Funded by Gilead Sciences.

背景

ウイルスRNAポリメラーゼを阻害するヌクレオチドアナログプロドラッグであるレムデシビルは、SARS-CoV-2 に対してin vitro活性を示した。

方法

SARS-CoV-2感染症に起因する疾患であるCovid-19で入院した患者にレムデシビルを人道的に投与した。

対象はSARS-CoV-2感染が確認された患者で、外気呼吸中の酸素飽和度が94%以下であるか、または酸素サポートを受けている患者とした。

レムデシビルを10日間投与し、1日目に200mgを静脈内投与した後,残りの9日間は1日100mgを投与した。

本報告書は、2020年1月25日から2020年3月7日までの期間にレムデシビルを投与された患者で、少なくとも1日目以降の臨床データがある患者のデータに基づいている。

結果

・少なくとも1回のレムデシビル投与を受けた61例のうち、解析できなかったのは8例(治療後のデータ欠損:7例、投与ミス:1例)であった。

・データが解析された患者53人のうち、22人は米国、22人は欧州またはカナダ、9人は日本であった。

・ベースラインでは、患者30人(57%)が機械換気を受けており、4人(8%)が体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation; ECMO)を受けていた。

・追跡期間中央値18日の間に、酸素サポートクラスの患者36人(68%)で改善がみられ、そのうち17人(57%)は抜管されていた。合計25人の患者(47%)が退院し、7人の患者(13%)が死亡した。

・死亡率は侵襲的人工呼吸を受けている患者では18%(6/34例)、侵襲的人工呼吸を受けていない患者では5%(1/19例)であった。

結論

重度のCovid-19で入院した患者のうち、レムデシビルの人道的使用で治療された本コホートでは、53人中36人(68%)に臨床的改善が認められた。有効性の測定には、レムデシビル治療のランダム化プラセボ対照試験を継続的に実施する必要がある。

コメント

レムデシビルはデングやマールブルグ感染症に使用される抗ウイルス薬です。今回の臨床試験では、”Compassionate Use” いわゆる人道的使用という名目で、COVID-19患者に適応外使用されたケースをまとめて報告しています。日本からはHideaki Kato医師(MD)が9例を報告していますね。

現在までに報告されている臨床試験の結果の中では、一番成績が良いように思います。しかも対象患者は、COVID-19の重傷患者のみ。倫理的に難しいですが、プラセボ対照あるいは実薬対照が欲しいところですね。

また症例数は53例と、試験規模としては小規模ですが期待の持てる結果だと思います。出来れば大規模な二重盲検の前向き研究の結果が欲しいところですが、倫理的にできない部分もあるかもしれませんね。ワクチン開発とどちらが先か、今後の研究結果に期待。

✅まとめ✅ COVID-19重症患者におけるレムデシビル使用は68%(36/53例)で臨床的改善をもたらしたが、前向き研究による追試は必須

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