Effectiveness and Safety of Apixaban Compared With Rivaroxaban for Patients With Atrial Fibrillation in Routine Practice: A Cohort Study
Michael Fralick et al.
Ann Intern Med. 2020
PMID: 32150751
DOI: 10.7326/M19-2522
Primary funding source: Division of Pharmacoepidemiology and Pharmacoeconomics, Brigham and Women’s Hospital.
背景
アピキサバンとリバーロキサバンは、心房細動の成人に最も一般的に処方される直接経口抗凝固薬だが、安全性と有効性を比較した直接的なデータは不足している。
目的
非弁膜症性心房細動患者のアピキサバンとリバーロキサバンの安全性と有効性を比較する。
試験設計
新規ユーザー、実薬比較、後ろ向きコホート研究。
試験設定
2012年12月28日から2019年1月1日までの米国の商業用医療保険請求データベース。
対象患者
アピキサバン(n = 59,172)またはリバーロキサバン(n = 40,706)を新規処方された成人。
測定
主な有効性アウトカムは、虚血性脳卒中または全身塞栓症の複合だった。
主な安全性アウトカムは、頭蓋内出血または消化管出血の複合だった。
結果
・アピキサバンを新たに処方された患者39,351人は、リバロキサバンを新たに処方された39,351人と一致する傾向スコアだった。
・平均年齢は69歳で、患者の40%が女性であり、平均追跡期間は、新規アピキサバン使用者で288日、新規リバーロキサバン使用者で291日だった。
・虚血性脳卒中または全身塞栓症の発生率は、アピキサバンを処方された成人の6.6/1000人年であったのに対し、リバーロキサバンを処方された成人の8.0/1000人年だった。
★ハザード比[HR] = 0.82 [95%CI 0.68〜0.98]
★レート差 = 1.4/1000人年[CI 0.0〜2.7]
—
・アピキサバンを処方された成人(12.9/1000人年)は、リバロキサバンを処方された成人(21.9/1000人年)と比較して、消化管出血または頭蓋内出血の発生率が低かった。
★HR = 0.58(CI 0.52〜0.66)
★レート差 = 9.0/1000人年(CI 6.9〜11.1)
—-
試験の限界
未測定の交絡、不完全な検査データ。
結論
ルーチンケアでは、アピキサバンを処方された心房細動の成人は、リバロキサバンを処方された成人と比較して、虚血性脳卒中または全身性塞栓症および出血、両方の発生率が低かった。
コメント
アブストのみ。
アメリカ人口ベースの後向きコホート研究。抗凝固薬の直接比較試験(Head to Head RCT)はなかったように思います。
さて、本研究結果によると、アピキサバン(エリキュース®️)の方が、リバーロキサバン(イグザレルト®️)より有効性・安全性が優れていそう。不思議ですね。
ただ過去に報告されたコホートやメタ解析の結果と大きく違わないと思いますので、結果は一貫していそう。正直、リバーロキサバンの良い(有効性が高い)報告は少ない印象です。
コメント
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