進行性メラノーマにおけるキイトルーダ®️ vs. ヤーボイ®️(Open-RCTの後付け解析; KEYNOTE-006; Lancet Oncol. 2019)

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Pembrolizumab versus ipilimumab in advanced melanoma (KEYNOTE-006): post-hoc 5-year results from an open-label, multicentre, randomised, controlled, phase 3 study.

Lancet Oncol. 2019 Jul 22. pii: S1470-2045(19)30388-2.

doi: 10.1016/S1470-2045(19)30388-2. [Epub ahead of print]

PMID: 31345627

Funding: Merck Sharp & Dohme.

ClinicalTrials.gov, number NCT01866319.

【背景】

ペンブロリズマブは、進行メラノーマ(悪性黒色腫)患者において、イピリムマブと比較して無増悪生存期間(progression-free survival. PFS)および全生存期間(overall survival, OS)を改善し、現在では第一選択の標準治療となっている。ただし、抗PD-1投与の最適な期間は不明である。 KEYNOTE-006で実施した5年間の追跡調査結果を提示する。


【方法】

KEYNOTE-006は、16か国における87の学術機関、病院、がんセンターで実施された、オープンラベル多施設ランダム化対照第3相試験だった。

組み入れは、18歳以上、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータスが0または1、BRIFV600ステータスが既知のイピリムマブ未投与から過去1回までの全身療法を受け、組織学的に確認された進行メラノーマ患者が対象だった。患者はランダムに以下の3群に割りつけられた(1:1:1)。

①ペンブロリズマブ 10 mg/kg(静脈内投与、2週間毎)

②ペンブロリズマブ 10 mg/kg(静脈内投与、3週間毎)

③イピリムマブ 3 mg/kg(静脈内投与、3週間毎に4回)

治療は、中央コンピューター生成の割り当てスケジュールを使用して割り当てられた。層内のランダムブロック化が用いられた。

2つのペムブロリズマブ投与レジメングループのデータの探索的組み合わせは、プロトコルで指定されていない。

ペンブロリズマブ治療は最大24ヶ月間継続した。ペムブロリズマブを少なくとも24ヶ月受けた後に安定した場合、ペムブロリズマブを中止するか、少なくとも6ヶ月ペンブロリズマブを服用して完全に反応を止めてから進行した適格患者は、さらに17サイクルのペンブロリズマブを受け取ることができた。

主要評価項目は、全生存期間と無増悪生存期間だった。ランダムに割り当てられたすべての患者の有効性を分析し、少なくとも1回の治療を受け、かつランダムに割り当てられたすべての患者の安全性を分析した。

5年間の追跡調査における有効性と安全性の探索的評価は、プロトコルで指定されていない。本分析のデータカットオフは2018年12月3日だった。

試験募集は締め切られているが、研究は進行中である。

【調査結果】

・2013年9月18日から2014年3月3日までに、834人の患者が登録され、ペンブロリズマブ(2週間毎n =279、3週間毎n =277)、またはイピリムマブ(n =278)をランダムに割り当てられた。

・生存患者の追跡期間中央値は57.7ヶ月(IQR 56.7〜59.2)だった。ペムブロリズマブ併用群の全生存期間中央値は32.7ヶ月(95%CI 24.5〜41.6)、一方イピリムマブ群では15.9ヶ月(13.3〜22.0)だった。

★ハザード比[HR] =0.73, 95%CI 0.61〜0.88, p =0.00049

・無増悪生存期間の中央値は、ペムブロリズマブ併用群で8.4ヶ月(95%CI 6.6〜11.3) vs. イピリムマブ群で3.4カ月(2.9〜4.2)だった。

★HR =0.57, 95%CI 0.48〜0.67, p <0.0001

・グレード3〜4の治療関連有害事象は、ペムブロリズマブ併用群555人のうち96人(17%)、イピリムマブ群256人のうち50人(20%)で発生した。

・これらのイベントの中で最も一般的なのは、大腸炎(11 [2%] vs. 16 [6%])、下痢(10 [2%]vs. 7 [3%])、および疲労(4 [<1%] vs. 3 [1] %])。

・ペムブロリズマブ併用群の75人(14%)およびイピリムマブ群の45人(18%)で、あらゆるグレードの重篤な治療関連有害事象が発生した。

・ペムブロリズマブに割り当てられた1人の患者は、治療に関連した敗血症で死亡した。

【解釈】

5年間の追跡調査の結果、ペンブロリズマブはイピリムマブを上回る優位性を示し続けた。これらの結果は、進行性メラノーマ患者におけるペンブロリズマブ使用に対するさらなるサポートを提供する。


【コメント】

アブストのみ。

ヤーボイ®️(抗CTLA-4抗体)よりもキイトルーダ®️(抗PD-1抗体)の方がPFSおよびOSともに優れていた。

仮に60kgの成人に使用したとすると、ヤーボイ®️3mg/kg(485,342円/50mg/10mL)は、4回の治療で698,892.48円、キイトルーダ®️10mg/kg(75,100円/20mg/0.8mL、364,600円/100mg/4mL)も仮に4回治療した場合では2,187,600円、7ヶ月の延命に見合う治療選択肢なのだろうか。治療費ケタ違いすぎる。

悪性黒色腫(メラノーマ)とは、皮膚がんの一つで表皮の基底層に分布しているメラノサイトあるいは母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられている。

メラノーマのABCDEルールhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15585738/

  • A:Asymmetry 
    形が左右非対称性である
  • B:Border of irregularities 
    辺縁がギザギザして不整である。色のにじみ出しがある
  • C:Color variegation 
    色調が均一でない。色むらがある
  • D:Diameter greater than 6mm 
    長径が6mm以上である
  • E:Enlargement or evolution of color change, shape, or symptoms 
    大きさの拡大、色や形、症状の変化

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