Persistence of Coronaviruses on Inanimate Surfaces and Their Inactivation With Biocidal Agents
G Kampf et al.
J Hosp Infect. Mar 2020
PMID: 32035997
DOI: 10.1016/j.jhin.2020.01.022
Keywords: Biocidal agents; Chemical inactivation; Coronavirus; Disinfection; Inanimate surfaces; Persistence.
背景
現在、新規ヒトコロナウイルスであるSARS-CoV-2の出現は、ヒトにおける重度の気道感染症を引き起こす世界的な健康問題となっている。
ヒトからヒトへの感染は、潜伏期間が2〜10日間であることが報告されており、飛沫、汚染された手、または(手が触れた部分の)表面を介した伝播が促進される。したがって、我々は、無生物表面上のヒトおよび動物のコロナウイルスの持続性に関するすべての入手可能な情報、ならびに医療機関等で化学的消毒に使用される殺生物剤を用いた不活化戦略に関する文献をレビューした。
結果
・研究22件の分析により、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスまたは風土病性ヒトコロナウイルス(HCoV)などのヒトコロナウイルスは、金属、ガラス、プラスチック等、無生物の表面で最大9日間、持続できた。
・ただし、62〜71%のエタノール、0.5%の過酸化水素、または0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを使用した表面消毒により、1分以内に効率的に不活性化できた。
・0.05-0.2%塩化ベンザルコニウムまたは0.02%グルコン酸クロルヘキシジンなどの他の殺生物剤は効果が低かった。
・SARS-CoV-2には特定の治療法が利用できないため、進行中のアウトブレイクを阻止し、この新しい感染性スレッドを制御するには、早期の封じ込めとさらなる拡散の防止が不可欠である。
コメント
アブストのみ。
新型コロナウイルスについて、欲しい情報をまとめてくださっていてありがたい報告です。
さて、検討結果によると物質の表面であっても条件によっては最大9日間、コロナウイルスは存在しうるとのこと。かなり長いですね。
ただし、62〜71%のエタノール、0.5%の過酸化水素、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムにより不活化できるとのこと。
そもそも物質表面にウイルスを付着させないために手洗い+アルコール消毒が重要ですね。過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムは、性質上やや使いづらいですね。
消毒大事
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