インフルエンザワクチンは毎年接種した方が良いですか?(SR&MA; BMC Med. 2019)

The Impact of Repeated Vaccination on Influenza Vaccine Effectiveness: A Systematic Review and Meta-Analysis

Lauren C Ramsay et al.

BMC Med. 2019

PMID: 30626399

PMCID: PMC6327561

DOI: 10.1186/s12916-018-1239-8

Keywords: Influenza; Repeated vaccination; Vaccine effectiveness.

背景

インフルエンザワクチンの有効性(VE)に対する毎年のワクチン接種の影響について矛盾する結果が報告されている。これらの結果は、今シーズンのワクチン接種を判断する上で、利点に関する混乱を引き起こす可能性がある。

方法

各データベース作成から2016年8月17日までのMEDLINE、Embase、PubMed、Cumulative Index to Nursing and Allied Healthの文献を体系的に検索し、以下の4つのワクチン接種グループを対象に、検査室で確認されたインフルエンザに対するVEを検証した観察研究について英語で確認した:

▶︎現在のシーズンのみ接種

▶︎前のシーズンのみ接種

▶︎両方のシーズン接種

▶︎どちらのシーズンも接種なし

ランダム効果モデルを使用して、インフルエンザの季節とタイプ/サブタイプごとのワクチン接種グループ間のVE(∆VE)の差をプールした。

試験プロトコルは、PROSPEROに登録されています(登録番号:CRD42016037241)。

結果

・ユニークな3,435の文献を特定し、634の文献について全文をレビューした。そして、20の文献結果をメタ分析に含めた。

・前シーズンの予防接種のみと比較して、両方のシーズンの予防接種はインフルエンザH1N1型(ΔVE= 25%; 95%CI 14〜35%)およびB型(ΔVE= 18%; 95%CI 3〜33%)、H3N2ではない型(∆VE = 7%、95%CI-7〜21%)に対して効果を示した。

・どちらのシーズンにもワクチン接種を行わなかった場合と比較して、現在のシーズンのみワクチンを接種した人は、インフルエンザH1N1型(ΔVE= 62%; 95%CI 51%〜70%)、H3N2型(ΔVE= 45%; 95%CI 35%〜53%)、B型(∆VE = 64%、95%CI 57%〜71%)に対して効果を示した。

・H1N1型のみのワクチン接種と現在のシーズンのワクチン接種の間にVEの違いは観察されなかった(∆VE = 3%; 95%CI-8%〜13%)が、インフルエンザH3N2型に対する予防効果はあまり認められなかった(∆VE =-20%; 95%CI-36%〜 -4%)、およびB型(∆VE =-11%; 95%CI-20%〜 -2%)。

結論

すべてのタイプ/サブタイプのいずれのシーズンでもワクチン接種なしと比較して、現在のシーズンにおけるワクチン接種のVEのみが高く、H1N1およびB型インフルエンザでは、前シーズンのみのワクチン接種よりも両方のシーズンのワクチン接種が優れている。H3N2およびB型に対して、両方のシーズンでワクチン接種された個人の方が現在のシーズンのみでワクチン接種された個人と比較してVEは低かったが、過去のワクチン接種履歴を変更することはできず、この比較は前シーズン中のインフルエンザに対する感受性を無視することに注意すべきである。さらに、H3N2型の結果は2014-2015年のインフルエンザシーズンの影響を特に受けており、すべてのタイプ/サブタイプに対するワクチン接種の繰り返しの影響はシーズンごとに異なる場合がある。

今後のVE研究には、複数の季節にわたる予防接種歴を含めて、繰り返し予防接種をより詳細に評価することが重要である。

コメント

インフルエンザの型や流行期のワクチン効果の程度(流行した型との一致)により、インフルエンザワクチンの繰り返し接種による効果は異なっていた。少なくとも、H1N1型およびB型については、毎年ワクチン接種した方が効果は高そう。

「ワクチン接種したのにインフルエンザ罹ったからワクチンなんて効果ない」と仰るかたに時々出会いますが、そもそもインフルエンザ感染に対するワクチンの予防効果は60%程度です。ではなぜ接種するのかというと、もし感染してしまった場合でも症状の重篤化を抑えられるためです。

成人と比較して、特に体力の低い高齢者や小児、糖尿病や免疫抑制薬を使用している方などにワクチンの効果が高いことも示されています。

そして何より重要なことは、ワクチン接種により、インフルエンザのパンデミック(汎発的流行、世界的な感染症の流行)を防げます。

ちなみにアウトブレイクは、もう少し規模の小さい特定地域や集団内の爆発的な感染のことです。

ヒトはコミュニティで生活しています。コミュニティ内でのアウトブレイクを防ぐためにもワクチン摂取をしましょう。

✅まとめ✅ インフルエンザワクチンの繰り返し接種の効果はインフルエンザの型により異なる

✅まとめ✅ 流行しやすいH1N1型およびB型に対しては毎年ワクチン接種した方がワクチンによる予防効果は高まる

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