心筋梗塞患者におけるバルサルタン、カプトプリル、これらの併用効果はどのくらいですか?(VALIANT trial; NEJM 2003)

Valsartan, captopril, or both in myocardial infarction complicated by heart failure, left ventricular dysfunction, or both.

Pfeffer MA ry al.

NEJM 2003

PMID: 14610160

DOI: 10.1056/NEJMoa032292

背景

カプトプリルなどのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤は、左室収縮機能障害、心不全、またはその両方を合併した心筋梗塞患者の死亡率と心血管合併症を軽減する。二重盲検試験では、アンジオテンシン受容体遮断薬バルサルタン、ACE阻害剤カプトプリル、およびこの患者集団の死亡率に対する2つの組み合わせの効果を比較した。

方法

従来の治療を受けている患者は、急性心筋梗塞の0.5〜10日後にバルサルタン(4,909人)、バルサルタンとカプトプリル(4,885人)、またはカプトプリル(4,909人の患者)による追加治療にランダムに割り当てられた。主なエンドポイントは、あらゆる原因による死亡だった。

結果

・中央値24.7ヶ月の追跡期間中、バルサルタンとカプトプリル併用群の941人、カプトプリル群の958人、バルサルタン群の979人が死亡した。

★バルサルタン群(vs. カプトプリル)のハザード比 =1.00; 97.5%信頼区間 0.90〜1.11; P =0.9

★バルサルタンとカプトプリル併用群(vs. カプトプリル)のハザード比 =0.98; 97.5%信頼区間 0.89〜1.09; P =0.73

・バルサルタン群とカプトプリル群を比較するための片側97.5パーセント信頼区間の上限は、死亡率(P = 0.004)と致命的および致命的ではない心血管イベント(P <0.001)において非劣性だった。

・バルサルタンとカプトプリル併用群は、薬物関連の有害事象が最も多かった。

・単独療法では、バルサルタン群において低血圧と腎機能障害がより多くみられ、カプトプリル群では咳、発疹、味覚障害がより多くみられた。

結論

バルサルタンは、心筋梗塞後の心血管イベントリスクが高い患者において、カプトプリルと同様の効果だった。バルサルタンとカプトプリルを併用すると、生存率を改善することなく有害事象の発生率が増加した。

コメント

アブストのみ。

ARBディオバン®️(バルサルタン)及びACE阻害薬カプトプリルによる総死亡や心血管イベントに差は認められなかった。つまりARBとACE阻害薬の効果は同等であり、どちらが優れているという訳ではなかった。副作用で気になるのはバルサルタンの腎機能障害。腎保護作用をうたっているRAS阻害薬により腎機能障害が増えるのは如何なものかと。また両群の併用は害しかなさそう。今日においてARBとACE阻害薬を併用しない理由にも頷ける。さらに日本におけるバルサルタンの最大用量は160mg、カプトプリルは150mg。本試験で設定されていた用量はバルサルタン320mg(試験に用いられた用量は平均247mg/日)、カプトプリルは150mg(平均117mg/日)。つまり日本人においては、ARBであるバルサルタンとACE阻害薬であるカプトプリルを比較した場合、バルサルタンの方が劣る可能性が高い。

✅まとめ✅ 心筋梗塞患者におけるバルサルタン247mgとカプトプリル117mgの効果は同等だった

✅まとめ✅ バルサルタンとカプトプリル併用は薬物関連の有害事象が最も多かった

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