若年者における手指消毒・マスクはインフルエンザ感染を防げますか?(クラスターRCT; PLoS One. 2012)

Facemasks, Hand Hygiene, and Influenza Among Young Adults: A Randomized Intervention Trial

Allison E Aiello et al.

PLoS One. 2012

PMID: 22295066

PMCID: PMC3266257

DOI: 10.1371/journal.pone.0029744

Trial registration: [corrected] Clinicaltrials.gov NCT00490633.

背景

限られたワクチン入手可能性と抗ウイルス薬に対する耐性の可能性により、インフルエンザのパンデミックを緩和するための非医薬品対策の有効性を確立することが求められている。

目的

フェイスマスクと手指衛生により、自然環境でインフルエンザ様疾患(ILI)および検査で確認されたインフルエンザの発生率が低下したかどうかを検討した。

方法

クラスターランダム化介入試験は、2007年から2008年のインフルエンザシーズン中に5つの大学寮5つ、住居37室に住む若者1,178人を対象に設計された。

参加者は、研究中に①フェイスマスクと手指衛生、②フェイスマスクのみ、または③コントロールグループに割り当てられた。

一般化された推定方程式を使用してILIに対する介入効果を推定し、研究期間6週間にわたるインフルエンザA / B感染について離散時間生存モデルを調べた。

結果

・ILI率の有意な減少が研究の3〜6週目に観察され、最終研究週までに最大75%の減少が見られた。

★速度比[RR] = 0.25、[95%CI 0.07〜0.87]

—-

・対照群と比較した両介入群では、インフルエンザ発生率の累積的な減少を示したが、結果は統計的有意性に達しなかった。

試験の限界

一般化可能性は、同様の設定と年齢層に限定されている。

結論

フェイスマスクと手指衛生を組み合わせることで、地域社会におけるILI発生率およびインフルエンザ罹患が減少する可能性がある。

これらの非医薬品対策は、インフルエンザパンデミック開始時の混雑した環境で推奨されるべきである。

コメント

介入後6週間までのインフルエンザ様疾患への罹患は、週毎に検討すると、コントロール群に比べて有意に減少している週も示されたが、累積値で比較すると有意ではなかった。

試験に参加することで、そもそも日常生活の中で気をつけるように意識が変わっている可能性がある。本試験の様なアウトカムの場合、試験参加バイアスが大きく影響すると考えられる。

またappendixに手洗いの頻度等いくつか重要なデータがあります。個人的には、これらの因子を調整できなかったことが結果に大きく影響していると考えています。

ただ全てを踏まえたとしても、手指消毒やマスクはした方が良いと考えています。理由は、医療費を圧迫せずにインフルエンザパンデミックを防げる可能性があるからです。また試験参加者は若年者かつ健康な人ですので、糖尿病や免疫疾患等の感染ハイリスク患者では得られる効果も変わると考えられます。他の文献も読んだ方が良いですね。

✅まとめ✅ 健康若年者における手指消毒とマスクはインフルエンザ様疾患の罹患を低下させるかもしれない。

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