Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts.
Estruch R et al.
N Engl J Med. 2018 Jun 13.
doi: 10.1056/NEJMoa1800389. [Epub ahead of print]
PMID: 29897866
Funded by Instituto de Salud Carlos III, Spanish Ministry of Health, and others
Current Controlled Trials number, ISRCTN35739639.
背景
観察コホート研究と二次予防試験では、地中海式食事の順守と心血管リスクとの逆相関が示されている。
方法
スペインの多施設試験では、心血管ハイリスクだが登録時に心血管疾患がない7,447人の参加者(55〜80歳、女性57%)を3つの食事に割り当てた。
①エキストラバージンオリーブオイルを加えた地中海式食事群
②ミックスナッツを補充した地中海式食事群
③コントロールダイエット(食事脂肪を減らすためのアドバイス)
参加者は、四半期ごとの教育セッションを受け、グループの割り当てに応じて、エキストラバージンオリーブオイル、ミックスナッツ、または小さな非食品ギフトを無料で提供された。
主要エンドポイントは、主要な心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、または心血管原因による死亡)だった。
中央値4.8年の追跡調査の後、事前に指定された中間分析に基づいて試験が中止された。
2013年に、ジャーナルの主要エンドポイントの結果を報告した。 その後、プロトコルの逸脱を特定した。これには、ランダム化のない世帯メンバーの登録、研究サイト11のうちの1つにおいて、一部の参加者のランダム化のない研究グループへの割り当て、別のサイトでのランダム化テーブルの一貫性のない使用が含まれていた。
以前に発行されたレポートを撤回し、すべての参加者がランダムに割り当てられたという仮定だけに依存しない分析に基づいて、修正された効果の推定値をレポートする。
結果
・288人の参加者において、主要エンドポイントイベントが発生した。
エキストラバージンオリーブオイルを使用した地中海式食事群:96例(3.8%)
ナッツ入りの地中海式食事群:83例(3.4%)
対照群:109例(4.4%)
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・すべての参加者を含み、ベースラインの特性と傾向スコアを調整した治療意図分析(ITT)では、対照群と比較して、エクストラバージンオリーブオイルを含む地中海式食事群のハザード比は0.69(95%信頼区間[CI] 0.53〜0.91)で、ナッツ入りの地中海食では0.72(95%CI 0.54〜0.95)。
・研究グループの割り当てがプロトコルから逸脱した、あるいは疑われている1,588人の参加者を除外した場合でも、結果は同様だった。
結論
心血管ハイリスクの人々を対象とした本研究では、主要な心血管イベントの発生率は、低脂肪食に割り当てられた人よりも、エキストラバージンオリーブオイルまたはナッツを加えた地中海式食に割り当てられた人の方が低かった。
コメント
アブストのみ。
地中海食の中でも特にエキストラ・バージニア・オリーブオイルやナッツを加えた場合、低脂肪食の食事指導を受けた場合よりも、心血管イベントが少なかった。
プロトコル違反等により解析からの除外データが多かった。しかし、除外されたデータでも結果は同様であったとのこと。
DB-RCTではない点は注意したい。実臨床よりも結果が良い可能性は高いが試験デザインとしてはブラインが難しいところですね。
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