Influenza Vaccine Effectiveness Against Pediatric Deaths: 2010-2014.
Flannery B et al.
Pediatrics. 2017 May;139(5). pii: e20164244.
doi: 10.1542/peds.2016-4244. Epub 2017 Apr 3.
PMID: 28557757
【背景と目的】
2004年以降の検査で確認されたインフルエンザ関連の小児死亡のサーベイランスにより、ほとんどの死亡はワクチン未接種の子供で発生することが示されている。
インフルエンザワクチン接種は、小児および青年のインフルエンザ関連死亡のリスクを軽減するかどうかを評価した。
【方法】
米国の小児コホート間で推定されるワクチン接種率と、実験室で確認された小児インフルエンザ関連死の間でのワクチン接種の取り込みを比較するケースコホート分析を実施した。
症例の予防接種と高リスク状態は、症例調査によって決定された。インフルエンザの予防接種の推定値は、全国調査データまたは全国保険請求データベースから取得された。
比較コホートにおけるワクチン接種オッズを伴う症例間のワクチン接種オッズを比較するロジスティック回帰からオッズ比を推定した。
ベイジアン法を使用して、(1-オッズ比)×100として計算されたワクチン有効性(VE)の95%信頼区間(CI)を計算した。
【結果】
・2010年7月から2014年6月までに、検査室で確認された358人のインフルエンザ関連の小児死亡が、生後6ヶ月〜17歳の子供で報告された。
・死亡者291人の予防接種状況が決定された。 75人(26%)が病気の発症前にワクチンを受けた。
・調査コホートの平均予防接種率は48%だった。全体的な死に対するVEは65%だった(95%CI 54%〜74%)。
・基礎となる高リスクの医学的状態の子供153人の死亡のうち、47人(31%)がワクチン接種を受けた。
・高リスク状態の子供のVEは51%(95%CI 31%〜67%)だったが、高リスク状態ではない子供のVEは65%(95%CI 47%〜78%)だった。
【結論】
インフルエンザ予防接種は、検査室で確認されたインフルエンザ関連の小児死亡のリスク低下と関連していた。
インフルエンザの予防接種を増やすと、子供や青年のインフルエンザ関連の死亡を防ぐことができる。
【コメント】
アブストのみ。
インフルエンザワクチンを全か無かで評価する方が、いまだに多いように感じます。この考えをすぐにゴミ箱に捨てて欲しいです。
さて、本論文の結果、小児インフルエンザ罹患による死亡リスク増加は、ワクチン接種していた患者よりもワクチン接種をしていなかった患者で認められた。
本来、インフルエンザワクチンの使用目的は、インフルエンザ感染を60%程度防ぎ、感染後の症状の重篤化を防ぐことです。
特に小児でのインフルエンザ脳症、これに伴う死亡リスクはインフルエンザワクチンで防げる可能性が高い。
そろそろ “インフルワクチン効果ない” という謎の説を根絶したいところ。効果の定義付けから始めましょう。
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