心房細動患者におけるカテーテルアブレーション後の経口抗凝固薬使用とアウトカムの関連性(PSマッチング コホート研究; Circ Arrhythm Electrophysiol. 2019.)

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Outcomes and Anticoagulation Use After Catheter Ablation for Atrial Fibrillation.

Freeman JV, et al.

Circ Arrhythm Electrophysiol. 2019.

PMID: 31830822

【背景】

心房細動(AF)+カテーテルアブレーションvs. 抗不整脈療法の結果を評価する研究は、結果がまちまちであることを示している。

また、ガイドラインでは、脳卒中リスクのある患者に対してアブレーション後も経口抗凝固療法(OAC)を継続することを推奨していますが、実際のデータは不足している。

【方法】

AFアブレーションを受けた患者の死亡、心筋梗塞、脳卒中または全身塞栓症、頭蓋内出血、大出血、入院を含む転帰を、the Outcomes Registry for Better Informed Treatment of Atrial Fibrillation registriesで治療された患者コホートと一致する傾向スコアと比較して評価した。

コックス比例ハザード回帰を実施して、AFアブレーションと結果との関連を評価した。

次に、AFアブレーション患者のOACによる治療パターンを評価した。

【結果】

・患者21,595人のうち、1,190人(6%)がde novo AFアブレーションを受けた。

・傾向スコアが一致したコホートには、抗不整脈薬のみで治療された1,087人の患者と1:1でAFアブレーションを行った1,087人の患者が含まれていた。

・総死因および心血管死リスク、および他のほとんどの主要な心血管および神経の有害事象に有意な差はみとめられなかった。

・AFカテーテルアブレーションは、特に処置後の最初の3ヶ月(標準のブランク期間)が、フォローアップ中の総入院リスクの増加(ハザード比 =1.24 [95%CI 1.05〜1.46])に関連していた。

・CHA2DS2 VAScスコアでAFアブレーションを受けた男性では2以上、女性では3以上であり、23%がアブレーション後にOACを中止した。

・OACを中止した人のうち、中止までの期間の中央値は6.2ヶ月だった。

【結論】

本大規模な米国の国民登録では、心房細動または総因死の調整率に、AFカテーテルアブレーションと抗不整脈薬のみの治療を受けた患者間に差は認められなかった。

特に、脳卒中リスクのある患者における脳卒中予防療法の継続に関するガイドラインの推奨にもかかわらず、アブレーション後のOACの中止は比較的一般的である。


【コメント】

アブストのみ。

心房細動患者におけるアブレーション施行と、抗不整脈薬による治療は、アウトカムにおいて群間差が認められなかった。

あくまでも仮説生成ではあるが、診療ガイドラインにおいて経口抗凝固薬の使用が推奨される患者群には、経口抗凝固薬の使用を継続した方が良いのかもしれない。

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