糖尿病性腎症に対するアルドステロン受容体拮抗薬とACE-I/ARB併用の効果はどのくらいですか?(SR&MA; Int J Clin Pract. 2019)

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Efficacy and safety of mineralocorticoid receptor antagonists with ACEI/ARB treatment for diabetic nephropathy: A meta-analysis.

Zuo C, et al.

Int J Clin Pract. 2019.

PMID: 31464019

【背景】

ACEI / ARBによる糖尿病性腎症(DN)の治療にミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)を追加することの有効性と安全性を調査する。

【方法】

2018年11月1日までのACEI / ARB治療によるMRAの効果を評価したランダム化比較試験について、PubMed、Embase、Cochrane Libraryデータベースを体系的に検索した。

【結果】

・MRAとACEI / ARBの併用治療は、ACEI / ARB単剤療法と比較して尿タンパク質/アルブミン排泄をさらに減少させた(平均差[MD] =-44.17 [95%CI -61.73〜-26.61]、P <0.00001) 。

・糸球体濾過率の統計的に有意な変化は観察されなかったが、併用群は血清/血漿クレアチニンを有意に増加させた(MD =7.40 [95%CI 4.69〜10.11]、P <0.00001)。

・MRAの世代に基づくサブグループ分析において、高カリウム血症の相対リスクは、スピロノラクトン(相対リスク 4.58 [95%CI 2.60〜8.08]、P <0.00001)またはエプレレノン(相対リスク 2.81 [95%CI 1.03〜7.69]、P = 0.04)よりも、finerenone(相対リスク 2.22 [95%CI 0.13〜38.13]、P = 0.58)の方が低かった。

【結論】

MRAはレニン・アンジオテンシン系の遮断下にあるDN患者のタンパク尿を有意に減少させ、血中クレアチニンを増加させることができる。

FinerenoneとACEI / ARBの併用治療は、エプレレノンまたはスピロノラクトンよりも高カリウム血症のリスクが低くなる。


【コメント】

アブストのみ。

17研究が解析に組み入れられた。本邦未承認の鉱質コルチコイド受容体拮抗薬であるfinerenoneは、既存のアルダクトン®️やセララ®️に比べて、ACEI/ARBと併用しても高カリウム血症リスクが低かった。しかしfinerenoneの研究結果は1つしかなく、ややオーバースペキュレーションであると考えられる。併用しなくて問題なければ併用しない方が良い。

とはいえ今後、糖尿病性腎症だけでなくネフローゼや腎移植後の治療における選択肢の1つになれれば良いなと期待しています。

さて、糖尿病性腎症におけるタンパク尿の減少は、代用のアウトカムだが腎機能の評価としては重要であると個人的には考えています。

続報を待ちたい。

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