Li L et al.
Rheumatology (Oxford). 2019 Sep 19. pii: kez398.
doi: 10.1093/rheumatology/kez398. [Epub ahead of print]
PMID: 31535692
【目的】
一般集団と比較した痛風コホートにおける全体的なリスクと、痛風診断前後の静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism, VTE)、深部静脈血栓症(deep vein thrombosis, DVT)、および肺塞栓症(pulmonary embolism, PE)の時間的傾向を推定する。
【方法】
カナダの州全体の人口ベース管理健康データベースを使用して、一致コホート研究を実施した。痛風診断前後のVTE、DVT、PEのリスクに対する発生率(incidence rates, IRs)と多変数調整ハザード比(Hazard Ratio, HR)を計算した。
【結果】
・痛風を伴う130,708人の偶発的個人(男性64%、平均年齢59歳)のうち、2,071人がVTEを発症し、1,377人がDVTを発症し、1,012人がPEを発症した。
・痛風に対する1,000人年あたりのIRsはVTEで2.63、DVTで1.74、およびPEで1.28であり、非痛風はそれぞれ2.03、1.28、および1.06だった。
・完全に調整されたHR(95%CI)は、VTEで1.22(1.13〜1.32)、DVTで1.28(1.17〜1.41)、およびPEで1.16(1.05〜1.29)だった。
・痛風前期間の完全に調整されたHR(95%CI)は、VTEで1.51(1.38〜1.64)、VTEで1.55(1.40〜1.72)およびPEで1.47(1.31〜1.66)だった。
・痛風に先行するVTEの完全に調整されたHRは、痛風の3年前で1.44、2年前で1.56、および1年前で1.62だった。
・痛風後の完全に調整されたHRは、1年目で1.63、2年目で1.29、3年目で1.33、4年目で1.28、そして5年目では1.22だった。
・DVTとPEでも同様の傾向が認められた。
【結論】
痛風診断の前後に、VTE、DVT、およびPEのリスク増加が見つかった。リスクは痛風の前に徐々に増加し、診断前の年にピークに達し、その後徐々に低下した。痛風関連の炎症は、静脈血栓症のリスクに寄与する可能性がある。
【コメント】
アブストのみ。
大規模な人口ベース コホート研究では、痛風リスクの増加の可能性が認められた。個人的には本研究結果の効果推定値の切れが悪く、またリスク増加も軽度であると考えられる。さらに痛風に対する治療として、尿酸値を下げることが静脈血栓塞栓症を防げるのかは不明である、という点も今後の研究課題であると考えられる。
続報を待ちたい。
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