Crul M et al.
Int J Pharm Pract. 2019 Oct 1.
doi: 10.1111/ijpp.12583. [Epub ahead of print]
PMID: 31576620
【目的】
治癒的治療の術がなくなった患者は、しばしば複数の症状に苦しみ、集学的治療アプローチを必要とする。緩和チームに2人の薬剤師、1人は病院の薬剤師、もう1人は地域の薬剤師として訓練された薬剤師を組み入れた。
本研究の目的は、薬剤師による緩和チームへの貢献度を評価することだった。
【方法】
13ヶ月の間に、薬剤師2人はすべての定期的な患者レビューとラウンドに参加し、緩和チームのすべてのメンバーが毎日個別に相談できるようになった。
各介入(要求時または患者ラウンド中に相談)が記録され、分類された。
【主な調査結果】
・研究期間中、115人の患者が緩和治療チームの管理下にあった。薬剤師は、これらのうち107人(93%)に積極的に関与していた。
・薬剤師による介入は患者の76%で発生し、患者あたり平均1.5人の介入があった。
・最も一般的な介入の種類は、一般的な治療アドバイスを与えること、制御されていない症状に対する薬剤の開始、予防として与えられた薬剤の停止だった。
・病院の薬剤師と外来薬剤師の貢献を比較するとき、彼らの介入は、薬剤の開始、薬剤の選択および副作用管理に関して重複していた。しかし、非経口薬への介入または投与経路の最適化は主に病院の薬剤師から来たのに対し、外来薬剤師は服薬遵守の強化と薬剤の中止に介入することが多かった。
【結論】
緩和薬剤師チームは、緩和治療チームに専門知識を追加し、患者の76%に積極的に貢献している。
【コメント】
アブストのみ。
緩和治療チームに入院部門の薬剤師だけでなく、外来部門の薬剤師も参画している点が面白いなと思いました。
さて検討の結果、管理下にあった患者のうち76%の患者へ貢献していました。服薬後のフォローが重要であることは言うまでもなく、介入内容としては重複していたようです。
単施設(オランダのアムステルダムにあるOLVG病院:550のベッドを備えた都心の教育病院)の検討結果ではありますが、がん専門薬剤師の意義を示した貴重な文献ですね。
別件ですが、本病院の薬局では、入院部門(5人の病院薬剤師と40人の技術者)と外来患者部門(2人のコミュニティで訓練された薬剤師と15人の技術者)で構成されていたようです。テクニシャン制度導入において、水剤だのピッキングだのとニャーニャー言っている日本とはスケールが全然違いますね。より薬剤師という専門性を発揮するならば、テクニシャンも必要であると個人的には思います。
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